過去ログ - 上条「なんだこのカード」 3rd season
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245:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2011/05/07(土) 03:51:39.04 ID:sNwVsL2yP

特別、笑みや怒りの様な表情を浮かべることも無く近づいたその存在は、彼女を近くで見るや、腹部に腕を伸ばした

先程出来たばかりの傷に手が触れたかと思うと、急速に傷が縮まっていく

体晶を使っていない彼女であるが、仮に使ったとしても、この傷を治す手法に気付けなかっただろう

超能力と言うよりは魔術に近い方法で、その存在は彼女の傷を癒す

裂けた衣類の上からも完全に傷が見えなくなった所で、その男は口を開いた

「滝壺、他には怪我をしてないか?」

不思議と抵抗する気にはなれず、彼女は更に手の平の傷も見せた

腹部の傷と同じように、目に見えて癒える傷

殆ど終わりに近い状態まで回復した時、その男は彼女の頭の上に逆の手を乗せる

何か引っ掛かっていたような、抑えつけられていたような毒気が抜けるのを、彼女は感じた

そして癒えた手の平に触れていた腕で、学園都市の内外を隔てる壁の方を、その側に有る一本の大きな建築物を指差した

「あの場所で、麦野沈利達が戦おうとしているようだ」

滝壺「え?」

裕に10km以上は離れている場所をハッキリと指差して、彼は続けた

「あそこへ行って、彼女たちを手伝ってあげてほしい。君にはその力がある」

急な言葉な上に、意図が読めない。麦野達が何をしようとしていて、どう手伝えばいいのか

当然押し黙る滝壺に、次の言葉が落とされる

「彼女は、自らの素の能力では得られない攻撃出力を、周囲の設備を利用して得ようとしている」

「だがね、"素養格付"からも、そこからの現在の能力の伸びを見ても、今の彼女ではあそこの全てを攻撃に用いる前に制御不能に陥って、自爆する可能性が高い」

「彼女自身、その事実を分かっているかもしれない。だが、分かっていても、あの性格だ。自らの自尊心にも促されて、強引に実行しようとするだろう。だから手助けが必要なのだ」

「そして君は、今の君ならば、彼女を補助することが出来る、必ず」

そう言って、男は滝壺の頭の上にのせた手を離した



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