過去ログ - 上条「なんだこのカード」 3rd season
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283:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2011/05/15(日) 13:24:38.62 ID:VblF9WVrP
この状況は、あの時のロンドンの再現であり、続きだった

それ以来、彼女の安定は崩れた。自己への後悔がその最大の理由だ

それは今の彼女を作り上げ調整していた研究者や技師たちにも、当然分かっている事である

もしその時と類似の事が生じ、不安定が深刻化したら。それによって作戦行動中に支障が出たら。ロンドンでの試験運用の時のように、ただ我を忘れ帰還するだけならまだしも、その強大すぎる能力・魔術が暴走したら

そんなことが生じかねない可能性を、どうしてそのまま放置すると言う事があるだろうか

結論を言えば、その対策はなされていた

今、神裂火織の頭脳は物理的に4つ

その中の一つが強く反応するのなら、抑え込む。矛盾が生じるなら、定義を置きかえる

彼女本来の脳は目の前の男が建宮斎字である事を把握していた。しかし、既に彼らは敵として合理的に判断している。その上、この対峙は不安定を招きかねない最悪の状況だ

残る3つの頭脳がとった解決策。それは、至ってシンプルなものだった

「目の前の男は建宮斎字などでは無く、ローマ正教の残党。他の魔術師も同様である。即座に原型を留め無くなるまで破壊し、早期にローマ使役天使の駆除に戻れ」

という、対象のすり替え。その為に、彼女の脳に伝わる聴覚的視覚的情報を完全に差し替えたのだった

ならば、今の目の前に立つ男は剣を握った、ただの魔術師にすぎない

神裂「……」

無言のまま、彼女は刀を構えた

「……いくのよな」

決意をした彼は、先に、迷い無く動いた。愚直な刺突だった

やはり、速度自体は、圧倒的に劣る。少なくとも回りに居た天草式の面々はそう見えた

神裂「あ……ぁッ?!」

しかし、薙ぎ払われることも、術式による攻撃を受けることも、ましてや打ち合うことも無かった。結果は、神裂の後退

力でも速度でも圧倒的に劣るのに、何故か

建宮(こうなる可能性ぐらい、女教皇と戦う可能性ぐらい、当然考慮してある。その為の準備も)

原因は彼の握る剣と周辺状況から生じた術式

自然界でも、敵と戦う前に行われること、それは威嚇

自らを大きく見せたり、毒を持っているように見せたりすることで、相手を脅して攻撃を防ぐ

要は、相手に何かされる前に驚かせるということ


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