過去ログ - 上条「なんだこのカード」 3rd season
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[saga]
2011/03/11(金) 07:23:30.25 ID:dLY4Liw3P
元々ニューヨークの周辺に大規模な軍事施設が有ったわけではない
"終末"という状況に対応する為に後付けの急造施設というのが本質である
故に、そんな爆発が起きてしまっては、通常の施設の様に対衝撃用の隔壁だとか、爆発時の衝撃を効率よく逃がすための構造的な工夫などがなされている訳では無かった
しかも、一般市民が生活する空間の一部を削り取るという形で、中小規模で散在させていたのだから、隣接する建物や道路というのは一般市民の扱うそれらである
爆撃がなされ、軍事関連施設がそのマトであり危険という認識が逃げ惑う人々の中に有ったことは幸いし、一般人の被害はそれほどなかった
地下の一般兵器弾薬倉を誘爆させたステイルの巨人は、張り付けたルーンが吹き飛んだこともあって、もちろん跡形もない
だが跡形も無いのは炎の巨人だけではなく、ステイルや米駆動鎧を追っていたローマの魔術師たちも同じである
如何に屈強で防御能力面でも高性能な術式に守られたローマ正教の彼らであっても、大体500m四方のコンクリートの塊を丸々吹き飛ばして粉微塵にするような物理現象に対してなど、困難熾烈の一言
流石に専用の防衛術式を組まない限り、守りきれなった部分から一気に防御術式を貫通して、例えば、炎や爆発の衝撃をある程度緩和することが出来ても、同時に砕けたコンクリートなどの建築材料が彼らの体を貫けば、そこから他の術式の前提や構造が変化してしまって、残るものはそれこそ肉片程度だった
それでも、運よく仲間が盾になってくれたり、立ち位置が良かったりなどして、意識を持って生き残った魔術師もいた
しかしそんなラッキーマンの一人であるローマ正教の魔術師の一人である彼の体は、もう長くないだろう。下半身と上半身が半分千切れていて、腸が飛び出している
「……なッ、だ……ぁ…れ……?………」
喉から血が昇ってくる感覚がして、彼自身もう生存できないことは分かっていた
だが彼らは絶望しない。例えここで死んでも、復活は約束されている。ローマ正教の圧倒は変わらない。時間がくればそれだけで勝ち組
しかし、絶望はしないが、驚きはする。それが彼の言葉に凝縮されていた
彼の滲んで霞んだ視界の殆ど中央、クレーターの様に窪んだ爆心から少し離れた場所に立っている人間
その体は、ローブなどの身に着けていた物は殆ど吹き飛んでいるが、対照的に体を直接覆う皮膚以下は大体無事で五体満足である
そして何より驚くべきはその赤髪で背の高い体の中央に、つまり胸の中心である、人間にとって最も重要で生命の象徴である心臓が在るべき場所に、太陽を思わせる僅かに黄色がかった光の塊があった
瀕死のローマ正教の男には、その光の中に一瞬何か優しい顔が浮かんで、自分に対して頬笑みかけているように思え、
そして彼は何故か幸福な気になって、この世から意識を失った
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