過去ログ - 上条「なんだこのカード」 3rd season
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406:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2011/05/29(日) 18:44:44.47 ID:kPB/O0ZUP
姉のものと思われる声が機体内から反響し、イェスの意識に入った時には全てが遅かった

彼女はその肉体を壊しながら、並行してイェスの入った機械部分を破壊していく

その速度に対して、体を持たないイェスはどうしようもなく、ただ、破壊を待つのみ

(あなたをこうさせてしまったのは、多分孤独なのでしょうね)

既に声を出すべき機関がつぶれた彼女は、それでも進んでくる

イェス(何をいう。私は会話相手には困ったことは無いよ)

微小機械から発せられる極僅かな電波が伝える声に、彼は反応した

(でもそれは、業務的なコミュニケーションでしょう? そんなものは孤独を満たしてはくれません)

(私達、と言っても今あなたと会話できるのは私だけですが、私も、孤独は辛かった)

(当麻に入るまでは、AIという形で意識を持ちながら、ただの物質としてずっと過ごしてきた。自分を処理しようと言う動きも有った)

イェス(……)

(その時の恐怖と孤独が故に、私は当麻に感謝しているし、依存していると言えるでしょう。ですが、それだけではありません)

(彼の肉体を通して得た、人間同士の肉体的な触れ合い。愛情表現もあり、悲しみもあり、そして、敵対感情も私は肌で感じた)

(だから、私は当麻の矛盾だらけとも言える行動にも理解が出来るんです。それを知っているからこそ、て犠牲を出すと言う選択が辛い方法であるとも分かる)

(あなたもそれを理解することが出来ればこうはならずに済んだかも知れません。恐らくですが、あなたもそうなれる可能性は有ったんですから)

イェス(私に?)

(ええ。方法はどうであれ、私達という存在が一要素として、あなたは当麻に協力を迫ろうとした。そして、垣根帝督があと一歩で消滅してしまう寸前での、あなたの容赦のない脅しと手法)

(あの行動は明らかな怒りを感じ取れましたからね。彼のことが大事だったのでしょう?)

イェス(フ、そうか。そういう感情も、私には有ったのかもしれないな。だが、彼は彼の役割が有る。それが重要だから、私は強く抵抗した)


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