過去ログ - 上条「なんだこのカード」 3rd season
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[saga sage]
2011/06/02(木) 01:18:10.85 ID:Slt1fRmaP
ガクガクと恐怖に震える脚を黙らせて、彼はその石ころを掲げた
そして、その石を持つ手の周りに、自らの血で術式を構成し、解き放つ
彼の手から生まれたのは、稲妻のような速さで巨大なミカエルのわき腹を狙った、槍の様な、矢の様な閃光
その先端には、"神殺しの石ころ"
一般的なロンギヌスの槍を見立てた術式に神殺しの石を掛け合わせたそれは、"イエス=キリスト(=人間)を殺す"という目的では、十字教最強の術式だっただろう。防ぐ術式は有り得ない
しかし
(―――――なッ?!)
恐怖に加えて魔力を使いきったことで震える体で、してやったという表情を浮かべる顔を浮かべるペトロの目の前で、無情にもそれは簡単に弾かれた
現実を見て、彼の脳に驚きが生まれた時
既に、彼の体はこの世から消えていた
所詮、それは"イエスの死"のきっかけでしかないのだ。ロンギヌスの槍であっても、神殺しの石ころであっても
その死とは、昇天であり、天界へ帰ると言う意味では一種の帰還でもある。つまり彼は人類の罰をその身に背負い、人間の身を捨てただけ
本質は"脱・人間"である。そんなものが、元々人間でない存在に通じるだろうか。考えるまでもないことだ
故に、彼はミカエルに敗れた。当然でもあるが
ふと、役目を終えて消えるミカエルの肩に人影が現れた
「信仰とは信徒が総作するもの。それが教皇であっても、たった一人の個人が作るものではない」
誰も聞く者が居ない中で、彼は言う
「それが分かっていれば、このような結果にはならなかったか」
教皇を召したミカエルの一撃によって完全に消滅したローマ正教の頂点を見て、その人影は残念そうな顔を浮かべた
「……ペトロよ。神の意図を知らしめる石を持ちながらも、結局は全ての民の意思に殺されたのだ」
「信仰の対は恐怖。教皇であるそなたが恐怖をもたらしては、それは信仰ではないのだよ」
そして、その人影はミカエルと共に消えた
ボオっとしたその人影が先の教皇であるマタイの姿に似ていた、という事実を知る者は居ない
そこにあるのは、夜の闇と、ただただ砕けた大地のみなのだから。そして"神殺しの石"は、その大地に混じってしまった
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