過去ログ - 上条「なんだこのカード」 3rd season
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602:失踪なう[saga sage]
2011/07/04(月) 08:24:18.55 ID:Yc4Cln2YP
闇夜の中で蒼く怪しく光るベールに包まれた5m程のメイスは、その闇夜を真っ二つに割る様に走った太すぎる白の筋を、打った

丁度釘を打つようにしてメイスと筋の両方がぶつかった部分から、衝撃が円形に生まれる

それはアックアの正面に深さ10mに及ぶ深い溝を一瞬で生じさせ、テッラの力とアックアの力がぶつかり合っているこの時間中、どんどんと深いものになっていくが、

彼はそれを少しも気に留めない

「……おおおおおおおおおお、おぁあ゛あッ!!!!!!」

咆哮と同時に力を込め、メイスというバットで白い筋というボールを振り抜くと、その白い直線上に振動が逆流をし、筋の全体がグニャリと折れ曲がり

そして最終的に、白の筋は明後日の方向へ突き刺さり、バットは棍の部分が吹っ飛んでしまった

有り得ない光景だと、見ていた第二王女は思う

あの男がどれほど力のある存在だとしても、特別すぎる

あれを捻じ曲げた被害が、たった一本のメイスだけで済むわけがない

当然の疑問を思い浮かべる彼女の目の前で、やはり、ガクン、とその男の膝が崩れ落ちた

体は力無いが、しかし、変わらないのはその表情

憎いものに対する怒り、としか読み取れない感情が見て取れる

彼が使うのは、全力

生きようとする行動に反応して、彼はあらゆる力を奪われる

どうせ奪われてしまうならば、後のことを考えて温存するのは無駄だ

ただの竿になってしまったメイスだったものを放り投げ、表情と行動のアンバランスを維持したまま、崩れた体に鞭を入れる

一歩、彼が進んだ時だ

弾かれて曲げられた枝と根の混じった白の筋が、もう一度ぐにゃぐにゃと軟体動物の脚のような動きを取り戻し、もう一度彼の方へ向かって行く

今度は、一本ではない

闇夜のロンドンに白く浮かび上がる巨大な白色人面大樹の根から、そして枝から、二方向からの挟撃

地面の中を巨大なミミズが這い回っているような盛り上がりが地表に現れ、そこから複数の白く太い根が彼の背後から




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