過去ログ - 上条「なんだこのカード」 3rd season
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607:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2011/07/04(月) 08:26:49.99 ID:Yc4Cln2YP
他方、もちろん変化はある

近づく者を殆ど無差別に排除していた枝や根が一か所に集中すれば、その対象以外の者への妨害は必然的に薄くなるか、無くなるのだ

この樹を斬り倒したい存在なら、いくらでもいる。それこそロンドン中に

とんでもないサイズの樹の幹に四方からあらゆる攻撃が加えられる

中でも一番巨大なローラの操る天使と枝や根との取っ組み合いは、殆ど怪獣同士の喧嘩だった

僅かな枝を引き千切り、幹の元まで辿り着くと、その獅子の口からオレンジ色の光線が放たれ、幹に一際大きな穴を空けた

人面樹の顔の丁度裏側から開いたその穴は、薄くなっていた口腔とも言うべき部分を裏側から貫通し、見方によれば一種、人面樹の口から光線が出た様にも見えた

それがそのまま空の雲と交わって、分厚い雲が一つ消し去った

ローラ「ッ。思ったよりも軟らかしきものなのね」

今回は斜め上に撃ち出された為に空へ流れたが、地面の、特に市民の避難している所へ流れると不味い

巨大な天使の肩の上でそう思った直後、地面から突き出した根がローラの操る天使を下から貫いた

獣の姿をした天使から悲痛の雄叫びが上がり、その巨躯がぐらりと揺れる

ローラ(これは、安直に近づきすぎたか……!)

彼女自身が肩から後方へ跳び、空中で身に着けていた髪止めを推進力代わりに爆発させて、樹と詰めていた距離を戻す

その移動の過程で、天使は一度消え、再び彼女の止まり木代わりにという役割の為にも、幹と距離を空けて再び現れた

ローラ(剛健なる枝や根に対して、男の顔のある幹の部分は思いの外、軟しけるのよ)

足元で騎士たちがこの機を逃すまいと近づこうとしているのも見ながら、彼女は考える

軟らかいとはいっても、彼らにとっては硬いものだろうが


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