過去ログ - 上条「なんだこのカード」 3rd season
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[saga sage]
2011/07/15(金) 15:13:42.68 ID:NevFLdj6P
御坂「行ってきてあげて」
それは彼の行動の引き金を引くには十分な言葉だった
上条「〜〜〜ッ、このままここに居てくれよ!!」
使い方は分かるよな、と言って彼が一丁しかない拳銃を彼女に渡すと
御坂「大丈夫、使える」
と強く言って彼の腰を押し叩いた
銃の代わりに適当なサイズの礫を持ち、弾けたように上条は廃墟の角を飛び出し、しかし身を隠しながら一気に相が逃げ込んだ方の廃墟へと距離を詰めた
あと一歩で相が廃墟と廃墟の織りなすちょっとした広い空間に飛び込み、狙撃者の射線に入ろうかと言う瞬間
上条は持っていた礫を、たまたま死角から接近できた彼女を追いこんでいるライフルを持った男の一人に向かって、投げつけた
コンクリの壁にコンクリの礫がぶつかり、しかもそれなりのサイズが当れば、音も大きい上に都合良く爆ぜたので流石に意識が向かう
その瞬間に、上条はこなれた動きで死角から接近し、首筋に握った別のコンクリの塊を叩きつける
人を殺すに十分な、嫌な感覚が手に拡がるも、すぐさま彼は近場の柱に身を隠した
案の定というか、追い込んだ相を狙おうとしていた男のライフルの弾が上条に向けられていて、それをあらかじめ予期していた上条の回避行動によって、その弾丸のいくつかは上条が殴って倒した男への止めとなった
追い込みの一角が崩れたことで、相は持っていた拳銃を狙撃者が居るビルの屋上に向けつつ適当に放ち、追い込まれそうになっていたビルとビルの間の広間から身を折り返し、上条の方向へ走った
相「馬鹿、なんで来たんです。これは、簡単な引っ掛けですよ!!」
言われて、しかし彼の頭の隅でも考えていた事であった
ちょっとした丘と、それを取り囲む高層ビルの残骸地帯
ビルの上に狙撃者が配置されていて、そして恐らく彼の視界内の瓦礫丘の上で、上条達は少しの間止まっていた
敵からすれば、こちらが3人だということも視認出来ているし、御坂を隠した場所も分かっている可能性が高い
そこまで予想が付いていても、差し迫った危機は相であり、御坂は上条を促した
上条「不味い、御坂が」
そう思って、それが思わず言葉になった時
ターンと言う音が、少し離れたところからビル壁に反響して彼らの耳に入り、更に上条と相の周りにも何者かが接近する気配を感じ、身がまえたのだった
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