過去ログ - 上条「なんだこのカード」 3rd season
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[saga sage]
2011/07/19(火) 10:12:44.26 ID:qc3MRVCnP
「そん、な」と御坂はその先の言葉を失って、言った本人もその色の白さに拍車がかかって表情が青く沈む
上条「……そうか」
上条だって、それは同じだった。だが、その声は重い感情を現さなかった
早い話、軽薄にも聞えたのだ
なぜなら、それは考えられる事。あれだけの戦闘力を持つLV5であっても、人間
死ぬときは簡単に死んでしまう。悲しい、悲しいがこれは二度目なのだ
しかも、アメリカに行っている間に死なれたなら、自分はどうしようもないじゃないか
そう考えると、無力。そしてその原因がもしかしたら"前"で自分が行った行為が遠因なら
彼女を殺したのは、自分かもしれない
考えたくなかった。だから、その手の話に感情を出すわけにはいかない
もし仮に、AIの制御すらもなくなってしまった今の自分が、目の前で親しい人間の死を見たら
自分が自分でいられなくなるほどに後悔するだろう。今の自分は、限りなく弱い。だから相を失いそうになった時、そして御坂を失いそうになった時、彼は全力でそれを拒もうとした
それこそ、更なる大破壊を自らが引き起こしても
一方「そうか、だ? ……あンな非常事態に、テメェは何をしてたンだよ、"幻想殺し"」
その冷たい物言いに、一方通行は反応せざるを得なかった
なまじ、自らが無意識に意識している存在であるからこそ
上条「ちょっと、外に行ってたんだ」
一方「外だァ? そうか、さっきの飛行機だな。ハッ、一番キツイ時にテメェは居なくて、そして安全になった時にのこのこと帰って来たってワケだ」
御坂「ちょろっと、含みのある言い方するわね」
一方「だが、正論だ。テメェらが外で何をしてたかは知らねェ。これが米軍連中が言ってやがった"終末"ってヤツで、どうしようもなかったことなのかもしれねェが」
抑える気のない苛立ちを視線と言葉に交え、それは上条を貫く
一方「それでも、テメェらがあの窮地ン時に居なくて、ああいう化け物の退治に持って来いの力を持った"幻想殺し"って存在がなかったのは事実だ。テメェが居たら、麦野だってあんな無茶をしなかったかも知れねェ。……逝くことはなかったかもしれねェ」
御坂「そんなの、全部アンタの憶測じゃない。自分がどうにもできなかったから、コイツに当ってる、そうにしか見えないわよ」
一方「その通りだァ、超電磁砲。テメェは間違ってねェ。もしかしたら、世界中で同じようなことが起きてて、そしてテメェはそれをどうにかしようとしてたのかもしれねェ。馬鹿げたことを言ってるのも分かる。俺らしくもないこともな。それでもだ」
赤い目が、震えていた。少なくとも御坂にはそう見えた
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