過去ログ - 上条「なんだこのカード」 3rd season
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[sage]
2011/08/16(火) 12:22:04.62 ID:o6qpCmN7o
神裂「下着や衣類、ありがとうございます」
そこは、森に囲まれた天然の洞窟。近くには木材運搬を考えている比較的大きな林道が通っており、戦車が二、三台は入りそうな大きなトレーラーもある
都市の近くよりも、そういう要素を感じさせない自然の中に逃げるべきと判断して、彼らはこんなところへ逃げていた
「いいさ。本当なら金でも取ってるとこだけど、この状況じゃドルはただの紙束で貴金属は重荷でしかないからね」
焚き火の黒い跡がある地面の近くの岩に腰掛けた中年の女性が、神裂の目の前で破れた布切れを縫い合わせている
「ああでも、代わりといっちゃなんだけど、あの電気娘にこれもってってよ。私はこの裁縫終わらせたいから」
手渡されたのは焦げたベーコンと形の悪いバケット、それに少々の野菜。時間的には昼食か
神裂「構いませんが、どこにいるのでしょうか」
「朝からずっと車の電装系を見てるはずだから、あのトラックの下に潜り込んでるはずよ。あなたも何か食べる?」
神裂「いえ、特に食欲は無いので」
「それは良くないわ。折角いい身体してるんだから。これもってきなさい」
といって、女性は側方においていた硬そうなパンと水を手渡す
神裂「それでは、あなたの分が」
「大丈夫よ。野菜はちょっと少ないけど、小麦はまだまだあるから。肉はいま何人かが狩りに行ってるところだしね」
神裂「わかりました。では、いただきます」
「素人の手作りだからちょっと見た目は悪いけど、それは気にしないで」
はい、と返事をしながら、神裂はトレーラーの方へ向かった
気丈な人間がのどかな雰囲気さえ作り出しているようだが、彼女らの目の前では最悪の光景があったはずだ
努めて、雰囲気を作っているのだ
「全く、何が地球に優しい電気自動車だ。非力だわ壊れるわじゃねえか。20年付き合ったディーゼルのが力もあるし構造も分かるし良かったぜ。おーい嬢ちゃん、どうだー? なんとかなりそうかー?」
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