過去ログ - 上条「なんだこのカード」 3rd season
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[saga]
2011/03/08(火) 09:03:58.34 ID:qxUHnraiP
自らの愚かとも言える疑問を撃ち払う様に、彼は体に力を込めた
治りかけの胸が圧迫され、悲鳴を上げる。その痛みが彼の頭脳をますます固く回転させた
アックア(……この前提が異なるなど、有り得ないのである。そのようなことは認められない)
ならばどういうことか。多分、フィアンマだ。奴が何かをしようとしている。きっとそう言う事である。絶対に
ならば、フィアンマが何をしようとしているのか、知る必要がある
そして、それを知ることで、テッラが神に選ばれたという、これまでの自己の否定につながるような考えを否定したい
何らかの方法で話しを、出来るならば目の前に立って直接、フィアンマであれテッラであれ、聞く必要が在る
聖人であるということもあって、体も全快には遠いが回復してきた。始末する目標であった禁書目録という存在が既に奪われてしまった以上、彼にはこのロンドンに長居する必要は無い
セント・ポール大聖堂の経路を使ったという事は、禁書目録が奪われた時点ではフィアンマはフランスに居たということだ
アックア(今、奴がそこにいるとは限らないが、行ってみる価値は在るのである。仮に移動していたとして、フィアンマが何をしようとしているのか、分かるやもしれない)
そんなことを、考えていた時である
突然、口の中にワインの味が拡がった
普通の人間には、それは単に気の間違いだと感じる程度の、時間的にも味覚的にも僅かなものでしか無かっただろう
上物のワインであろうが、安物の葡萄酒であろうが、味自体はどうでもよかった
問題は、口の中にワインの味覚を感じさせるものが入りこんできた、と言う事
水の魔術に長けたアックアには、それがどうして起こったのか、霧の都ロンドンの大気に湿度としてある水に、どんな変化が現れたのか分かってしまった。多分、これをした相手も自分に気付きさせたかったのだ
アックア「まさか、テッラ。貴様がまたもロンドンへ来ていようとは」
一瞬口の中に広がったその味を思い出しながら、言葉をこぼした
水に関する物理現象の一つである雨は、神の涙と比喩される
そして神が人間の様に血も涙も有る存在ならば、涙と血は同じ体を流れる体液だ
つまり神の涙と神の血はニアリーイコールで結ばれる存在なのである
大気中の水分=雨=神の涙≒神の血=ワイン ⇒ 大気水分≒ワイン
この形式をとれば、特定範囲の水分をワインに変える術式を成立させることは不可能ではない
だが、神を介するが故に術式の構成が難しい上に、限りなく有用性は低いことに加え、広範にわたる術式である為に魔力の消費も無駄に大きい
こんなことが可能な人間は、ワインから連想させられる人物で、そしてその人間の事をついさっきまで考えていたということも有って、アックアの頭には一人しか浮かばなかったのだった
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