過去ログ - 上条「なんだこのカード」 3rd season
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867:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2011/09/10(土) 18:46:29.58 ID:0X3JsVYQP
「不味すぎンだろ、これ」

黒いラベルに"〜ブレンド"とプリントされている缶

どう見ても缶コーヒーにしか見えないが、良く見ると珈琲では無く煮汁と書いてある

つまりコーヒーでもココアでもないものであり、しかも彼は高度に不味いものとして飲んだ経験がある

なぜそんな物を、太陽光と廃墟によって創られる心地よさそうな影の中に腰かけて口にしているのかといえば

一方「贅沢は言ってらンねェ状態とは言え、こいつは酷過ぎるだろ……」

打止「だったら、ミサカのココア飲む? って一度口を付けたのを手渡してみたり」

一方「いらねェよ。ガキは優先してそういうの貰える権利があるンだ。大人しく享受してろ」

打止「はーい。でも、わざわざ不味い不味い言いながら飲むのは不毛だと思うの」

一方「……あァ、そうだな。不味いから敢えて飲もうと思ったンだが、想像以上だった」

なんでわざわざ敢えてそんなことを、と少女は思ったが、変なこだわりは今更だと思って口にしなかった

別に、こだわりとかではないのだ。少しは物資不足対策に貢献しようという気が無いでもないが

ただ、この不味い味を不味いものとして、前と同じように感じることが出来るのか。それが不安だった

もう飲む気がほぼ失せた缶を傍らに置いて、彼は目を瞑る

浮かんできたのは、第7学区ごと移動する前の事

一方(あの時受けた攻撃の純粋な"力"の大きさなら、それは身に受けきることが出来るようなもンじゃァなかった)

缶煮汁を置いたのとは逆の方向に居るはずの打ち止めの頭の上へ、見もせずに手を置いて、優しくというよりはワシワシと撫で始めた

同時にベクトルという所詮人間の創りだした概念でしか無く、明確な物理現象ではないものを体中に走らせ、体中の反応を調べる

一方(だが、この通り。手も腕も、もっと言えば感覚まで全て生きてる。せめて腕の一本でも折れてるのが普通ってものだろォが)


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