過去ログ - 上条「なんだこのカード」 3rd season
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88:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2011/03/29(火) 05:07:11.14 ID:d+Glc2LZP
しかし、それでも男には結構なダメージが加わったようで、ローマ正教の男はよろめきながら立ち上がった

術者への介入で、男の術式の進展は止まり、少女の周りを取り囲んだ状態で、犬の動きが止まる

「……貴様、何者だ?!」

建宮「さぁ、何者だろうな。ローマ正教の横暴っぷりに腹を立ててる人間だとでも思っていて欲しいのよ」

男は建宮を見る。こんな時代に金属製の剣を振り回す輩。間違いなく同業者である。ということは

「魔術師か。やはり裏切ったかイギリス清教!!」

犬の彫刻がなされた杖を男は建宮に向ける。その向きに従って、青く半透明なケルベロスが少女から建宮の方へと顔を向け、威嚇するように吠えた

だが、その動きを見ても建宮はなんら気にしない

建宮「確かにイギリスとは関わりもあるが、残念ながら俺がここにいるのは完全な別件なのよな」

「貴様の都合など知らん。だが私は元々邪教徒共との合同作戦など気に入らなかったのだ! 貴様を先に地獄送りにしてやろう」

建宮「ほーぅ。そのワンちゃんでか?」

「その通りだ。終末を迎える今、我が術式は冴えわたっている。地獄の番犬の牙をとくと味わえ!!!」

男が言い放つと、少女の前に居た半透明の犬は、一目散に向かい、建宮に無数の牙が襲いかかる

だが、建宮は剣を肩に乗せたまま、避けたりとか、守りを固めるとか、迎撃を図るだとかは、しなかった

多数の首を持つ半透明の犬と建宮がぶつかり合った瞬間、犬を構成していた青白い光が閃光の如く拡がった

男にとってはそれは予想外で、そして自らの術式によって生まれた光で間抜けにも視界を奪われる

もちろん、それは男に襲われていた少女にとっても同じだった

そして少女が恐る恐る目を開くと、そこには四肢が全て明後日の方向を向いている男が倒れていて、首に建宮の剣が向けられていた

「グッ。……貴様、何をした?」

先程までとは正反対の、苦痛で顔をゆがませている男

建宮「特段、なにもしていない。術式の欠点を突く。魔術師同士の戦いの基本を実行したにすぎないのよな」

「……な、に??」

建宮「……無抵抗の人間ばかりを襲って、ケルベロスなんてポピュラーな術式を使っているリスクすらも見えなくなったか」

建宮「ケルベロスは人間を地獄へ招き、そして入った人間の脱走を見張る存在であって、直接人間を地獄送りにさせる存在ではない。お前さんの術式で対象を殺すには、その対象に"地獄送り"への意識が必要なのよな」

少女の方を見た。建宮の視線でも、少女は怯える。無理も無い

そんな少女へ一瞬柔らかい笑みを向けて、もう一度彼は男へ視線を戻した


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