過去ログ - 上条「なんだこのカード」 3rd season
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912:割と深刻なダメージを追う事となりました[saga sage]
2011/10/11(火) 08:41:19.54 ID:F/zw6ecBP
恐らく、モスクワ中の全ての者がそれを見ただろう

そうでなくともその異常な爆発と、異常なキノコ雲を見ていない者はいない

ある者は悲しみ、ある者は怒り、ある者は焦り、ある者は後悔した

その一撃で、モスクワ側の戦力は一気に半減した。同時に外部から来た者の多くも散った

そんな中で一番普遍的な感情は"恐怖"の二文字

結局、楽園などなかったのだ

破壊者が来ないこの空中モスクワでさえも、こうなってしまうのだ。ただの人間には、どうしようもないことなのだろう

この現実をまざまざと見せつけられたならば、無力感から尚更、彼に縋りたくなる


モスクワ市近郊での核兵器を思わせる大規模爆発に、モスクワ市内での衝突は一時沈黙した

モスクワ側はその爆発がここにも来るのではないのかと。外からの人々は何が起きたのかわからないから、と

しかしながら、モスクワ側の驚きを見るに、これまで殴られていた側である"外からの人々"は、一転、攻勢にでる

攻勢、と言っても、それはただの奪略行為でしか無かったが

とうとう、あの核兵器の衝撃をもって、「我々の怒りを思い知ったか!!」という声すら、外からの人々の口から出てくるようになった

一度勢いづけば、片方は更に燃え上がり、片方はより深く沈黙してしまうもの

つまり、一方的なものとなる。それは、計画の中でもより多い人間の存続を考えているフィアンマからしても、好ましい状況ではない

「おい見ろよ!! こんなにたんまりと食糧備蓄があるぜ!!」

街の中心にある消防庁舎の倉庫に押し寄せた外からの人々は、そこに山積みに溜められていた備蓄食料を見つけてしまった

重いスライドドアから入ったすぐには、少し封の開いたものもあったから、彼らがモスクワ州に来る前から、すこしずつ小分けにして供給していたという様子が見て取れる

「緊急時用の備蓄食料庫なんだからあたりまえだろ!」

「あっちの長い倉庫には小麦の備蓄もあるみてぇだ。モスクワの連中、これだけあるのに出し惜しみやがって」

「そうだそうだ! 何にも苦労していない連中が何も労せずたらふく飯を食ってた訳だ! 俺達は逆に水すらも飲めないことだってあったってのに!!

「だったら、俺達が貰ったって構わないよな!!」

押し寄せた、と言ってもまだ十数人の外からの人々だが、ここに食料があると分かれば、すぐに蟻のように群がるだろう

そうなれば、折角計画的に放出してきたこの食料庫は簡単に空になってしまう



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