過去ログ - 上条「なんだこのカード」 3rd season
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973:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)[saga sage]
2011/11/06(日) 03:02:17.70 ID:dQEA5iJzP
「全く、何がどうなったのやら」

二人の強大な力を持つ存在が去って、彼が飛び込んで来た時には、既にその聖堂内は黒々とした憎々しい内壁に生まれ変わっていた

良く言えば胎内を、悪く言えば胃腸の中を思わせるその場所の中心にはブラリと複数の血管によって吊るされた核なるものがある

まさかそれが、もともと人間であるとは思いはしない

刀夜「これが一体どういう経緯で出来たにせよ、やることはハッキリしている。浪費出来るほどの、無駄な時間は無い」

刀夜「利用できる機会を逃せば、我々がこの体に集まっている意味もないことだしね。さて」

刀夜「問題はどちらにつくかだが。今なら、この心の臓に干渉することも出来るぞ」

と、彼は一人で、まるで会話するように呟き続ける

刀夜「決まっているさ。親が子を見捨てられるものじゃないよ」

刀夜「どちらについても同じなのだ。ならば、これまで通りのその判断を私も支持しよう」

刀夜「決まりだな。なら、敵前偵察はこれぐらいでいい。しかし、恐らくだが、これは人間の望む姿にはならないだろうな」

刀夜「人々の希望がこんな形になってしまうのは、あまりk――――」

「誰と、何の話をしているのです?」

コツ、と自分の靴以外の何かが地面を叩く音が聞こえたのは、話しかけられたのと同時だった

その声質は、見目は、自分の妻に似ている

刀夜「君は」

相「すみませんが、後をつけさせて貰いました。……これはまた、随分と趣味の悪い空間ですね」

周りに注意を払いながら、彼女は言う

なるほど、確かに、肉色の赤黒さに覆われたこの施設内は趣味が良いとは言えない

刀夜「別にここは私の趣味のものではないよ。ロシア成教の傾向でも、彼の趣味でもない」

心臓の形をした、十字の代わりにこの聖堂のシンボルとなっている人一人よりもずっと大きい臓器みたいなものに視線を向けながら言った



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