過去ログ - 唯「直死の魔眼――?」
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15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/07(月) 19:26:56.15 ID:/pwNr4Li0
 
 重く透明な水が私を飲み込んで、肺に残っている空気を全て吐き出せと言う。
 次第に音という概念が私から遠のいていく。
 朝の喧騒が、信号機のとおりゃんせが、鳥の鳴き声が、
人の足音が、風が、一秒、一刻、一刹那毎に切り離されていく。

 膝から下が――否、立っている地面から喪失したかのような浮翌遊感と不快感。

 それでもよろめくことを赦さなかったのは、
ただ、横断歩道の途中で突然歩みを止めた私を伺う、憂の心配そうな顔が支えになったから。


憂「お姉ちゃん――?」


 憂が私の肩に触れようと手を伸ばす。
 いけない。不調を察せられたらおしまいだ。
きっと憂は、家に帰ろうと言い出すよ。それからそこまで連れ添って、私の看病を買って出るんだ。


 ――それは決して、憂が背負う荷物じゃないのに。



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