過去ログ - 唯「直死の魔眼――?」
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31:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/07(月) 19:38:40.51 ID:/pwNr4Li0

 眠りに――否、正しくは昏迷と呼ぶべき意識の中で、私はいつだって何もない夢を見た。

 眼を閉じれば、次はいつ目覚めるとも解らない。

 その事実に、私は周囲の人たちほど危機感を感じなかった。


 なぜだろう。


 そこにはなにもないのに、一人ではないと感じるのだ。
 天使様でもいらっしゃるのだろうかと、少女じみた考え方に笑ってしまいそうになる。
 実際のところ、私は少女と呼んで間違いないし、そんなときは笑えるほどの身体の自由も利かないのだけれど。

 怖い、という感情は、とうの昔に麻痺していた。
 死に触れすぎた私は、おかしくなってしまったのかもしれない。
 これが運命というのであれば受け入れよう。
 私個人の生き死になど、世界という大きな尺度から見れば所詮は瑣末事なのだ。



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