31:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/07(月) 19:38:40.51 ID:/pwNr4Li0
眠りに――否、正しくは昏迷と呼ぶべき意識の中で、私はいつだって何もない夢を見た。
眼を閉じれば、次はいつ目覚めるとも解らない。
その事実に、私は周囲の人たちほど危機感を感じなかった。
なぜだろう。
そこにはなにもないのに、一人ではないと感じるのだ。
天使様でもいらっしゃるのだろうかと、少女じみた考え方に笑ってしまいそうになる。
実際のところ、私は少女と呼んで間違いないし、そんなときは笑えるほどの身体の自由も利かないのだけれど。
怖い、という感情は、とうの昔に麻痺していた。
死に触れすぎた私は、おかしくなってしまったのかもしれない。
これが運命というのであれば受け入れよう。
私個人の生き死になど、世界という大きな尺度から見れば所詮は瑣末事なのだ。
63Res/35.48 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。