33:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/07(月) 19:40:28.31 ID:/pwNr4Li0
?「は、ははは……」
笑いというよりはむしろ呆れの色が強い声が右隣から聞こえる。
最初に眼に入ったのは、夕焼けのオレンジ色だった。
窓の方見ると、夕日は完全に沈みきっていた。
でも、まだ夜じゃない。夕方が、空に中指の第一関節だけで捕まってぶらさがっている。
拍手を打って、もう一回打つために広げた手のひらの間の空間みたいな時間。
境界線のように、オレンジと水色が空に敷かれている。
――――水槽の底に、街が沈んだみたい。
雲が水草で建物がオブジェなら、私たちは差し詰め魚だろうか。
?「おーい?」
放課後の息遣いが聴こえる。
運動部の掛け声と、吹奏楽部のトランペットと、
演劇部の発声練習と、誰かの笑い声と、あわただしい足音と、
上から響く椅子を引き摺る音が全部仲良く一緒になっていて。
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