7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/03/07(月) 19:18:10.26 ID:/pwNr4Li0
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―――私がそれを初めて視たのは、もう十年近く前のことになる。
小学校に上がる前、秋も終わりかけの頃。
正確に言うのなら十一月二十七日。
はっきりと覚えているのは、その日が私の誕生日だったからに他ならない。
これを誕生日プレゼントだと言うのなら、随分と意地の悪い神様もいたものだ。
唯「あれ? おとーさん? なんで、かおにらくがきしてるの?」
その時の私は、パーティーの準備にしては珍妙極まりないな、なんてことを呑気に考えていたのだ。
しかしよく見渡してみれば、そのラクガキは父親の顔に限ったものではなく。
母親にも、妹の憂にも、顔だけでなく全身に、走り書きのように描かれていた。
ふと思い立って手元のコップへと目をやれば、
家族のそれほどはっきりしたものではないけれど、やっぱりひび割れのようなラクガキが。
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