過去ログ - 澪「私と唯とギー太とエリザベスとベッドと部屋」
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169:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)
2011/03/28(月) 01:33:58.69 ID:rngDF38co
「唯、そんなの仕舞って」

私はお金を握る唯の手をそっと押し返した。

「澪ちゃんに……あげるから……」

唯はなおも懇願する。

どうすれば唯は聞き入れてくれる?
どんな話をすれば。

会話、そうだ、会話だ。
全てそこから始まったんだ。
あの時の、将来の、唯の抱える不安の話。
あの続きをするんだ。

私は唯の手からお金をむしりとって、床に捨てた。
唯の肩に手を置いて、唯の目を見る。

「唯、ごめん。ちゃんと話そう。唯は怖いんだよな?将来が、大きすぎて怖いんだよな?」

唯は私の頬を両手で包んで目の中を覗き込んだ後、私のコートを脱がせた。

「違う……。唯、待って。話すんだよ、ちゃんと」

唯は私の上着の中に手を入れて、胸を触った。

「唯……」

唯に議論をするつもりはないらしい。
あの時喋りすぎたのか?
いや、きっと唯はもう忘れちゃったんだ。
将来の不安だとか、未来の選択肢だとか、そんな話、もうどうだっていいんだ。
それはそうだな。
私だって忘れていた。
あの時は確かに私も唯も不安に隈なく覆われていたけど、あれ以来、あんなことは一度も考えていない。
あれは身体を重ねる目的じゃなくてただのきっかけだ、今となっては。
気持ちよくて楽しいから、私達は続けていたんだ。
あの時の議論に照らし合わせるなら、唯は、目の前の宝箱を全部無視する事にしたんだろう。
私の身体を触って、私が次にどんな反応をするか……霧中に映る唯の未来は、それだけなんだ。


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