55:別人 ◆Q7pSHpMk.k[saga]
2011/03/23(水) 02:26:15.88 ID:TqL+JquH0
正体を見破られても、男たちには動揺の色はない。
だが、それこそ自らの正体を明らかにしたも同然である。
統括理事会の指示を受けた兵隊が、さらに1歩近づいた。
「さあ来るんだ!」
「生憎だが、君達では役者が足りていない」
「おい、いい加減に……!」
今こそ医者は理解した。
何故、木原が『管理個体』の健診を突然早めたのか。
その目的は、彼女のためではない。
つまり――。
「分からないのか、すでに木原数多はこの事を予測していたと言っているんだ」
「戯言を」
「装甲服ではなく、せめて駆動鎧を着てくるべきだったね?」
ゴ、ガッシャァァァァァァン!!という爆音と同時。
奥のMRI室から、窓を突き破って寝台が投げ込まれた。
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