過去ログ - 美琴「極光の海に消えたあいつを追って」
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10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/09(水) 03:53:30.36 ID:SvKeaTpjo
10月31日。

霧にむせぶロンドン、その一角に聖ジョージ大聖堂はある。
先日の戦闘で、大聖堂の中はめちゃくちゃだ。
床に穴は空き、壁は崩れ、ステンドグラスが割れているせいで外の冷気と湿気が建物の中にまで入り込んでいる。

その礼拝堂の中でインデックスは跪き、静かに祈りを捧げていた。
「必ず戻る」と言い残し消息を絶った少年のために。

コツ、コツ、と廊下のほうから足音が聞こえてくる。
やがて現れたのは赤髪の魔術師。
右手には紅茶とサンドイッチを載せた盆を、左手にはブランケットを持っている。

彼はインデックスの隣に腰を落とし、盆を彼女の前へと差し出す。

「インデックス、何も食べていないそうじゃないか」

「いらない」

「……そのままだと風邪をひくよ。せめて暖かくしなければ」

「いらない」

「……そうかい」

ステイルは懐からルーンのカードを一枚取り出し、何事かを呟く。
途端にカードは燃え上がり、周囲の空気を熱していく。
僕は寒がりなんでね、と彼がつぶやけば、インデックスは苦笑するように唇のはしを曲げた。

「……とうまは、まだ見つからないんだね」

「ああ。十字教三大勢力が協力して数百人規模の捜索隊を組織しているのだけれどね。
 何せあんな巨大のものが落ちた海だ。状況を把握するだけでも大変らしい」

「とうまにはあの右手があるから、探査術式は役に立たないかも」

「とはいえ、目視で捜索するには広大すぎる。穴のないように捜索するには、時間が必要だよ」


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