過去ログ - 美琴「極光の海に消えたあいつを追って」
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24:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/09(水) 04:05:52.88 ID:SvKeaTpjo
同時刻、診察室にて。
冥土帰しに診察を受ける番外個体の姿があった。

「……ふむ、右腕の骨折の処置は完璧。後頭部の怪我もまあ、やることは傷口の整復と縫合くらいだね。
 一方通行、彼も人を救おうとすれば出来るじゃないか」

「助けられたのがあの人を殺そうとしたミサカだっていうのもなんだか皮肉な話だよね。
 ……外側の傷よりも、もうちょっと重要なことがあるんだけど」

冥土返しは頷き、数枚のレントゲン写真を取り出す。
番外個体の体の各所を撮影したものだ。

「『シート』や『セレクター』だったかな? 主に上位命令に抗ったり、君を制御下に置くための機械だそうだね?」

「うん。鬱陶しいから取っちゃってよ。
 体を切り開かれてそんな得体の知れないものを埋め込まれてるなんて気持ち悪いだけだし」

「大多数はただ埋め込まれてるだけだけど、いくつかは神経に食い込んでる。難しい手術になるよ?」

「にしし、心臓が動いてる限りは『冥土返し』に治せないものはないって、ミサカたちに書き込まれた情報の中に記述があるよ。
 まさか、看板に偽りがあるわけじゃないよね?」

「その看板は下ろしたよ。つい最近、初めての敗北を味わったばかりでね?
 だけど、この程度なら治せる。右腕も、後頭部も、機械の摘出も、ね」

「ミサカだって一応女の子なんだし、綺麗に治してよね?」

「当然。僕は患者に必要なものはなんでも揃えるし、要望があれば力の及ぶ限りなんだって叶える。
 ただし、治療が終わるまでは僕の患者だ。僕の言うことは守ってもらう」

「それが対価だって言うなら、大人しく従うよ」

番外個体は悪戯っぽく微笑むと、冥土返しに向けて無事なほうの左手を差し出す。
その意を汲んだ冥土返しもまた微笑んで、彼女の手を握った。

「よろしく、冥土返し。ミサカを助けてね?」


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