過去ログ - 美琴「極光の海に消えたあいつを追って」
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243:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[sage saga]
2011/04/10(日) 03:15:06.68 ID:hMoZjPKRo

「それは……記憶喪失ってことか?」

「うん。大怪我のせいだって」

「そうか……」

記憶喪失。
単なる想い出の喪失だけではなく、自己の存在理由すらも見失うことの、なんと辛いことか。

「私……私があの時、あいつを助けられていたら……!」

「美琴、自分を責めちゃいけないよ」

しゃくりあげる娘を、旅掛は優しく抱きしめる。

「人生は長い。その中には、いくつもいくつも『もしも』がある。
 父さんにだって、『あの時こうだったら』『この時こうしていたら』という出来事はいくらでもある。
 だけど、それは全て手遅れだ。過去に『もしも』は通用しない。終わったことは変えられない。
 それはただの願望、いや空想でしかない」

腕の中で美琴が震える。だが、旅掛は言葉を続ける。

「だからこそ、人は強くなろうとする。
 再び岐路に立たされた時、道を間違えないように。けっして後悔しないように。
 ……さて、今父さんの腕の中にいる女の子はなんて名前でしょう?」

「…………御坂美琴」

「そう、才色兼備かつ文武両道、常盤台の『超電磁砲』にして俺の自慢の娘、だ。
 父さんはあまりお前のそばにいられたわけじゃないけど、それでも美琴が『どこまでも強くなれる』子だってことは知ってる。
 だから、あえて厳しいことを言うよ。……美琴、その後悔を飲み干せ」



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