過去ログ - 美琴「極光の海に消えたあいつを追って」
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252:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[sage saga]
2011/04/10(日) 03:23:53.41 ID:hMoZjPKRo

通信を切り、ローラ=スチュアートはクッションに身を預けた。
考えているのは、これからイギリス清教が取るべき道。
そのために、禁書目録を呼び戻したのだ。

彼女にとって、インデックス自身にはそれほど価値を見出してはいない。
重要なのは10万3000冊の魔導書を内蔵した「魔導図書館」であり、それの入れ物にすぎない少女はどうでもいい。
壊れたらまた作りなおせばいいだけのものだった。

選択肢を与えたのだって、彼女の事を慮ってのことではない。
不要な恨みを買わぬよう、彼女に「自分で道を選んだ」という意識を植え付けたかっただけのこと。
選択の余地がない選択など、強制となんら変わらない。

しかし、ここ最近は少しだけ事情が変わっていた。
「幻想殺し」という能力を秘めた、科学サイドの少年。
それをイギリス清教にとって都合よく運用するために、禁書目録の少女はとても都合が良かった。

だが、その役目ももう終わりだ。

「アレイスター=クロウリー。かの者にとって禁書目録など瑣末なことでしょうが、それでも解析されることだけは避けたきこと」

彼自身に興味はなくても、彼の飼い犬たちは興味を示すかもしれない。
手なずけるためのオモチャとして、禁書目録を与えることもあるだろう。
禁書目録そのものはともかく、魔導図書館を解析され、破壊されることだけはなんとしても避けたい。

片鱗とはいえ、魔術の存在が世界に広まった。
その事実は、大きく世界情勢を塗り替えることとなるだろう。
英国女王などは「もういっそ魔術について公開してしまえ」などと喚いているが、ローラはそれには賛成しかねる。
神秘性の宿る聖域こそ、教会が守るべきもの。

それに、禁書目録にはまだ使い道がある。
隠し球は、ここぞという時まで隠しておくものだ。
ローラはにやりと笑い、腰を上げて風呂場へと向かう。

今夜は、どの入浴剤を使おうか。



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