過去ログ - 美琴「極光の海に消えたあいつを追って」
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290:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[sage saga]
2011/04/13(水) 01:56:39.87 ID:9KzOTW+Oo

「……短髪は、凄いね。私にないものを、たくさん持ってる」

「でも、あんたは代わりに私が持ってない凄いものを持ってるでしょうが」

美琴がインデックスの額を指でつつくと、彼女はきょとんと首を捻る。

「……おでこ?」

「違うっつーの。完全記憶能力と、それを分析する能力よ。
 私にはあんたの『マドートショカン』がどれほど凄いものかはわからないけど、
 10万3000冊の本を完璧に暗記してて、それをフルに活用できることくらいは知ってる。
 でも、今回の件ではあまり役には立たない。なら、そろそろ蔵書を増やすべきときじゃない?」

「……でも、魔導書なんてそう簡単に読めるものじゃ」

「別にマジュツに関することしか記憶できないわけじゃないんでしょ?」

「えっ?」

つまり美琴の言いたいことはこうだ。
その頭の中に、科学技術をありったけ取り込め。
その上で、分析し、解析し、上条当麻を救う方法を探し出せ。

冷静に考えれば、学園都市の中よりも30年遅れているといわれる"外"の技術は役に立たないのかもしれない。
"中"の技術は持ちだせない以上、イギリスに召還される彼女には学園都市の技術を知るすべはない。
そして、"中"と"外"の技術レベルには絶対的な差が存在する。
何よりも、彼女の役割上そうそう科学技術に触れられるものではない。

だが、今のインデックスにとってはそんなことは些細なことだ。
頭の中の知恵と知識を探り、観察し、分解し、分析し、新たに組み合わせて目の前のパズルの答えを導くのが彼女に課せられた役割である。
魔術の分野ではできることを、科学の分野ではできない道理はない。

限られた手札の中で、最大の成果を。
それは、何の成果ももたらさないかもしれない。
けれど、何もしないよりはずっとまし。

まだ目尻は赤いけれども、インデックスは美琴に笑いかけた。

「イギリスに帰ったら、図書館に引きこもるんだよ。国中の図書館を頭の中に収めちゃうかも!」

「そうしなさい。"外"でも読める有用な資料とかがあったら、教えてあげる。
 その代わり、何か糸口でもいいから思いついたら、私にも教えてよ」

「うん!」


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