過去ログ - 美琴「極光の海に消えたあいつを追って」
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347:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[sage saga]
2011/04/17(日) 02:39:35.81 ID:6dTTluKVo

その問いに、神裂は答えに詰まる。
例えば上条当麻がインデックスの生命と宿命を救い、代わりに彼の人格が死んだ夜の出来事については、彼の自発的な行動と言っていいだろう。
上条当麻にはインデックスを見捨てる、または大人しく神裂らの手に引き渡すと言う選択肢もあった。
だが彼はそれを良しとせず、抗い、戦い、そして「死んだ」。

しかし、中には否応なく魔術サイドが彼を状況に引きずりこんだこともある。
イタリアやフランス、イギリスのクーデター鎮圧戦では、上条当麻の力は欠かせなかった。
故にコーディネーターとも言うべき立場の土御門を使って、学園都市から連れ出し、戦わせた。

魔術サイド自体が彼に危害を加えようとしたこともあった。
シェリー=クロムウェルの件や「神の右席」との激闘は、明確に彼個人を狙ったものだ。

結局、二択のどちらとも答えられず、神裂は見てきたままを答えることにした。

「彼から飛び込んできたことも、こちらから協力を要請したこともあります。
 不本意ではありますが、彼を状況に巻き込んでしまったことも」

「では、あの子が自分から逃げ出したことは?」

「私の知る限り、ありません。彼はいつだって勇敢に戦い、私たちを助けてくれました」

「……そうですか」

神裂は自分で発した言葉に、自らの弱さが情けなくなる。

上条当麻はただの学生だ。魔術の世界に触れてはいるが、それでも守られるべき一般人のはずだ。
そんな彼に助けられ、代わりに傷を負わせて、何が魔術師だ。何が女教皇だ。何が聖人だ。



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