過去ログ - 美琴「極光の海に消えたあいつを追って」
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(千葉県)
[saga]
2011/06/12(日) 01:49:51.34 ID:Sj9M+n8No
「一つ聞いても?」
「ええ。私に答えられる、あなたが聞いても問題のないことなら」
「アレはどうして、『工場長』だなんて呼ばれているの?」
『新素材』の発生装置の中枢となる、白い棺のような箱。
装置全体あるいはその棺を指して、『工場長』と呼ばれることがある。
『新素材』を使った兵器研究には明るくない布束には、そのあたりの事情はよく分からない。
「ちょっとしたジョークよ。
例えばどんな最新の工場でも、その方針を決める工場長がいなければ何もできはしない。
同様に、アレがなければ我々の最新機器をそろえたラボは全く意味を為さない。
どちらも必要不可欠ということをなぞらえて、『工場長』と呼ばれているのよ」
「『工場長』というよりかは、むしろ『鉱山』のほうが近いのでは。あれが金属か非金属かはさておき」
「それもそうなのだけど、なんで『工場長』になったかと言えば、恐らくきっと」
そこでテレスティーナは言葉を切り、布束を見てにやりと笑う。
「中に人が入っているからかしらね?」
その凄絶な笑みに、布束は背骨の中を絶対零度の悪寒が通り抜けるのを感じた。
『量産型超能力者計画』や『絶対能力者進化計画』に携わったものとはまた違う、決して人に人としての価値を見出すことのない狂科学者の目。
人として踏み越えてはならないラインを高笑いしながら平気で突き破って行ける者のみができる表情だ。
「まあ、『彼』がどんな経緯であんな狭っ苦しい棺の中に押し込められているかには興味はないけれど。
使えるなら使い潰すだけだし、そうでないなら生ゴミにでもしちゃいましょうか」
くすくすと笑うが、その目は全く笑うことがない。
暗に「お前もああなりたくなければキリキリ働け」というような冷たい視線に、布束は目をそらしてしまう。
「……『最上位個体』はもう少し調整の余地がありそうね。何か考えておくわ。
せっかくここまで引き上げたんですもの。どうせならレベル5級の出力を持ってほしいわよね」
そう言ってきびすを返すテレスティーナ。
あとには何かを考え込むような布束だけが残された。
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