過去ログ - 美琴「極光の海に消えたあいつを追って」
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(千葉県)
[saga]
2011/06/22(水) 01:24:39.37 ID:zxuPn9f5o
一通り見て回り、上条が美琴を振り返る。
「んで御坂、気に入ったアクセサリーは見つかったか?」
「えっ、あんたが可愛いのを選んでくれるんじゃないの?」
「……えぇー」
思わぬ難題である。
女の子に似合うアクセサリーを選ぶ機会など、記憶喪失前ですらあったかどうかは疑問だ。
「10032号のネックレスはあんたが選んでよこしたらしいじゃないの」
「……分かったよ。もう一回見て回ろう」
しばらく上条は一角をうろうろと歩き回り、時折アクセサリーをつまみ上げては美琴の顔と比べ、そして戻すという行為を繰り返していた。
そんな彼の後ろを、美琴は期待半分、不安半分でついて回る。
上条が自分の為にアクセサリーを選んでくれているのが前半分。
アクセサリーと美琴の顔を見比べる行為が、ただ美琴の顔色をうかがっているだけなのではないかと言うのが後ろ半分。
上条はレベル0であり、したがって奨学金の額は低く、いつ出会っても金がないと言っているようなありさまの人間だ。
シンプルなものほど安く、凝った可愛いデザインのものほど高いのは当たり前の話。
したがって、頭の中では常に財布の中身と戦っているに違いない。
だけど、別に高いものが欲しいわけじゃない。
彼がくれるなら、きっとどんなものでも嬉しいから。
「上条が」「自分の為に選んで」「プレゼントしてくれる」という行為そのものが嬉しいのだから。
ややあって、上条が「これはどうだ」とあるネックレスを差し出してくる。
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