19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/12(土) 09:15:08.71 ID:IW7IgJuDO
私達は小さい時からずっと一緒で、これから先もずっと親友同士でいられるのだと、口に出すまでも、頭で考えるまでもなく、当然のことなのだと今までそう錯覚していたーー…。
「あ、りっちゃん」
私が川べりのベンチに座って呆けていると、平沢唯が駆け足でやって来た。
「寒いねー」
「そうだな」
もう三月なのにな。
澪にあんなことがあったっていうのに、唯は努めていつも通りだった。唯と唯を取り囲む回りの空気はいつだって変わらない。
「…四月になったらさ」
「ん?」
「私達、部員集め頑張らないとね」
「…そうだな」
澪が抜けた穴を埋めないとな。
「あずにゃんも来年一人になっちゃうし、澪ちゃんだってーー…」
「…うん」
今日は三月二十三日。澪は今でも閉鎖病棟にいる。
一ヶ月毎に余命が一ヶ月だと錯覚する精神病…、澪はこれから先もずっと、あのカレンダーに赤い丸を書き続けるのだろう。
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