過去ログ - ふと思いついた小ネタ(スレタイ含む)を書くスレ8
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(埼玉県)
[sage]
2011/03/30(水) 03:57:25.96 ID:Dnnq1Rlwo
「やあ。待ってたよ」
いつものようにスキルアウトに追いかけられ、逃げた先の元は学習塾であったことが伺える廃墟の中にその男は一人立っていた。
髪はぼさぼさの金髪で派手なアロハシャツに大きな十字架のネックレスを着けているというかなり怪しい格好でだ。
どう見ても学生ではない年齢の人間がそんな格好しているのは学園都市では珍しく、もしかして魔術師ではないかと上条は少し警戒する。
「何だよお前。俺は別にお前に会いにここまで来たわけじゃねえぞ」
「おいおい随分つれないこと言うねえ。それともあれかい? 君は半年前の恩を忘れてしまったとでも言うのかい?
近頃じゃ無縁社会だなんて言われているけどまさかこんなにひどい世の中になっているとはねえ。全く嘆かわしい限りだよ。」
「なっ」
話し方こそはひょうひょうとしていたが、その一言により上条の中で一気に緊張感が増す。
なにせこの口ぶりでは記憶喪失前の知り合いっぽいのだ。
記憶を失う前の上条当麻はこんなおかしな格好の知り合いがいたのかと今の上条当麻は悲しくなった。
だが下手を打つと自分の記憶喪失がバレる可能性がある。ここは曖昧に答えておくしかないだろう。
「そんな訳ないだろ。なに人を薄情者のように言いやがってらっしゃるんですか。
今回は本当に別の用事があって来ただけだ」
それを聞いて相手の男はニヤリと笑うと、なんてことのないような口ぶりで恐ろしいことを言ってきた。
「ふーんそうかい。まっ本当は僕と君は初対面なんだけどね。いやはや記憶喪失とは大変だねえ」
その一言に上条は固まった。冷や汗が背中に流れていくのがわかる。
初対面の人間にいきなりブラフを張ってくるのもおかしいが、今の一言だけで記憶喪失だということを見抜いてくるこの男は一体何者なのか。
様々な疑問が浮かんでは消えていき、記憶喪失がバレたことにより自分のアイデンティティが崩されるような気さえした。
「て、てめえは何がしたいだよ!?」
「いやいや誤解はしないでもらいたいけど、僕は別に君と争いたい訳じゃない。ただ気になったから引っ掛けただけさ」
そんなことでこの男は自分の大事な秘密を暴いたのかと腹が立ち、上条は右手の拳を握りしめる。
しかし、そんな敵意剥き出しの上条を見てもその男は慌てることなく未だひょうひょうとしていた。
「ハッハー元気がいいねぇ、何かいいことでもあったのかい?
…そこまで怒るとは思わなくてね。気分を害してしまったのなら謝る。この通りだ。」
おちょくっているのかと思いきや、突然その男は頭を下げた。それと共に首からぶら下げたネックレスがゆらゆらと揺れる。
喧嘩を売ってきていると思った相手に突然謝られたことに驚き少し冷静になった上条は、追求するとこっちが悪者になってしまう気がしてこれ以上問い詰めるのは考え直すことにした。
怒りが収まってきたところでふと疑問に思ったことを上条は質問してみる。
「それでお前は一体何が気になったんだ?」
「その右手だよ。」
上条の問にその男は珍しく周りくどく言わず、意味ありげに話しながら上条の右手を指さす。
それが異能であれば神様の奇跡さえ打ち消してしまう幻想殺しの宿ったその右手を。
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