過去ログ - 一方通行「いい子にしてたかァ?」2
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111: ◆d85emWeMgI[saga]
2011/03/20(日) 18:52:59.38 ID:2XuDSNck0



何処の妹が呟いたのか、或いは共通の意識としてなのかわからない。
17歳になった打ち止めは、あの頃よりほんの少しくらいは大人になったからこそわかる。
多分自分達が彼に対して抱いている反発の根幹はそれなのだ。そして、彼がその反発の根に気付くことは未だに無い。

彼はきっと少しも気付かなかっただろう。

助手席に居る間、しきりに自分が汗臭くないだろうか、髪がおかしなことになっていないだろうか、等と落ち着かない心地でいた事に。

そして、車内に香る、彼のものでは無い誰かの甘い香りが微かに漂っていることに、胸が痛くなった事にも。



「あーくん!!」
「想、待ったか?」
「今日はいつもより超遅かったじゃないですか」
「ッせェな……打ち止めを拾ってから来たンだよ」




打ち止めは、少し離れたところからその光景を見る。



無邪気に一方通行に抱きつく、自分にそっくりの幼い少女。

親しい間柄故の憎まれ口、軽口の叩き合いに、頬を緩める女。

此処にはいない自分の姉 ――― 少女の母。



ふと、打ち止めは自分に問い掛ける。自分はどの場所が羨ましいのだろうか。





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