過去ログ - 一方通行「いい子にしてたかァ?」2
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65: ◆d85emWeMgI[saga]
2011/03/18(金) 22:19:27.38 ID:3a0E/AJo0

時折黄泉川とおかしな空気になっていたり、芳川と目で会話をしていたり。
知らない声のトーンで誰かと話していたり。
それはミサカが子供で守るべき相手だからといって、あの人が隠し続けていたのだからだ。


ミサカはいつでも何もかもあの人に曝け出しているのに、あの人は隠し事が増えていく。


それは、無性に悔しかった。

悔しくて、学校帰りに男の子と手を繋いで帰ったり、お休みの日にデートに行ったりして、あの人がヤキモキするような秘密を作ってみたりした。


秘密の気配にすら気付かれなくて、わざと目に映るようにしてみたりもした。
中学に上がってからはますますエスカレートした。
あの人の家に遊びに行って、途中で男の子と電話をするフリをして、「これから会わないか、だって。ミサカもう帰るね」なんて切り上げて見せたりした。



けれど、あの人はそれをミサカの成長だと、寂しそうにしながらも喜んでいた。



ミサカが想像した取り乱しようは欠片もなくて、それがミサカにはショックだった。



でも、それは仕方が無いことなのかもしれない。
あの頃、ミサカが中学生の頃、あの人にそんな余裕は無かった。
悔しいけれど、あの人にとってはミサカに彼氏がいようが、それどころじゃない時期だったから。


理由は二つ。


一つは、妹達の延命措置についての研究の滞りと、前総括理事長の仕掛けたトラップによる妹達の相次ぐ死。



そして、もう一つは、お姉さまのこと。

そのとき高校生だったお姉さまはその身に命を宿していた。
お父さんはあのヒーローさん。
けれど、これはお母様にも黒子達にも内緒。
知っているのは浜面さん達とあの人にミサカ達だけ。
その頃、あの人はある意味でお姉さま以上にお姉さまの中に宿った命に過敏になっていた。




あの頃の事を思い出すと、番外個体共々溜息が出る。
生まれる前からあの人は過保護だったのだ、お姉さまの娘 ――― 想ちゃんに対して。





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