過去ログ - テッラ「『光の処刑』が完成しました。」
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667:1[sagesaga]
2011/06/20(月) 03:45:09.77 ID:BQ0cRo1AO

テッラの姿がぼやけながらも、しかしこの空間に現界しているという事は、まだ己の演算に穴がある証拠であろう。頭はまだバキバキと痛むし、『能力』を使用している間は、この痛みが続く事だろう。
だが、この演算が完全になれば、
最早テッラは現界など叶わず、この世界から消滅する事となるだろう。
それで、勝利。

それさえ終われば、少年は「八人目」に認定されてもおかしくないと、認められるだろう。
自分を見限った学園都市は、自分を見誤ったのだ。
自分はここまで出来る。
自分はこんなに出来る。

痛む頭を抑えながら、しかし喜びを噛みしめていると、



テッラがため息をついた。



それはこの状況に対する絶望というわけでも無ければ、諦めというわけでも無く、
ただただ、「めんどくさそうに」ため息をついた。

少年はそれが、不快でたまらなかった。
勝っているのは自分なのに。
貴様を殺すのは俺なのに。
頭に響く激痛に耐えながら、しかしテッラを一刻も早くこの次元から抹消する為に、少年は演算に集中しようとすると、









そこに一つの「順位」が生まれた。









テッラ「優先する。ギロチンの動きを上位に、疑似空間を下位に」

無造作に、しかし的確に振り下ろしたテッラのギロチンに、まるでガラスが砕けるような音がした後、テッラの輪郭がしっかりとした姿を取り戻す。

少年が呆気にとられるのも無理はないかもしれない。
少年はテッラの『能力』を『特定の無力化』と捉えていた。
まさかこんなにも容易く自分の最後の『能力』が破られるとは、断じて認めたく無かった。
だが、そんな事を考える暇もなく、まるで頭に溶鉱炉でも入れたかのような痛みが、少年を蝕んだ。
演算の逆流。
無理な演算をして、無理な『能力』行使をして、そして強引に破られた事から起こった、脳のパンク。

痛みにうなだれ、かきむしり、膝をつき、

歩み寄ってくるテッラの足音さえ聞こえず、

ただただ、叫んだ。


痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い………

痛みに呻く少年が最後に感じたのは、腹部への圧倒的衝撃だった。

浮く体、吹き飛ぶ機械、
この戦いで、少年が最後に見たのは、己を薙いだ白い流体で、



あの時の翼を思い起こしながら、少年の意識は暗く沈んでいった。


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