過去ログ - 上条「専属教師?」イボンヌ「(コクリ)」
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6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/03/14(月) 17:19:18.28 ID:7D4+2kDa0


「……」
「……」
「…………」
「…………」
「……………………」
「……………………(なんか何事も無く着いてくるけど大丈夫なのか?)」

上条と謎の少女は目的地である上条の通う高校に着いてからも並行して歩き続けていた。
最初はクラス担任の月詠小萌に訳を話して預けようと考え、職員室へと向かおうとしていたのだが
(う〜ん……でも結構遅くなっちゃったから小萌先生が教室にいることもありえるよなぁ)
行き違いになる恐れはあるが、幸いにも上条のクラスと職員室の距離は意外と近くにある。結論から言うと、ひとまず教室へと向かうことにした。

「えっと……ちょっとここで待っててくれるか?俺の荷物置いてくるから」
教室前で待つよう指示する上条に少女はフルフルと首を軽く左右に振ると、小さく、しかしハッキリとこう言った。

ここに用がある

やっぱり誰かの妹なのか?とも思うが、上条のクラスに外国人はいない。遠い親戚という可能性もあるが、何か違うような気がした。

……話は変わるが、上条当麻のクラスには「土御門元春」と「青髪ピアス」なる人物がいる。

この2人に上条が加わると「デルタフォース(馬鹿3人組)」と呼ばれるお馬鹿集団が出来上がるのだがこの3人、常時言い争いやら殴り合いやらをしているいわゆる「悪友」というもので、つい昨日も帰宅途中「上やんの性癖大調査スペシャル〜!!」とか言う突発的で馬鹿げた(上条本人としてはたまったものではないが)話題で言い争い、最終的に三つ巴の大乱闘にまで発展した。

そして土御門も青髪ピアスも上条の事を「フラグ男」と呼び、上条にとって時に理不尽に感じる暴力を振るわれる事がある。

さて、こんな悪友2人を持つ上条が、金髪藍眼の少女を連れて教室に入ってきたらどうなるだろう。

「「このフラグ男がぁぁあああああああああああああああああああ」」

一拍置いて教室の後ろで雑談していた2人がこぶしを握り、問答無用とばかりに上条に殴りかかろうとするが、上条は微動だにしない。彼は不幸な人間だが、それ故に朝のこの時間帯に教室に入れば、その瞬間はどんな理不尽な戦闘が起きようと

「やっときたーーーーーーーーーー!!」
「へぶるっ!!」
「げぼるはっ!!」

必ず回避する術がある事を知っていた。

「「とんま」!!英語の宿題忘れちゃったー、うつさしてー!!」
走りながら体育会系高校生男子2人を吹き飛ばした黒髪ツインテールの少女は、宇宙船やらウサギやらおにぎりやらのシールがぺたぺたと張り付いた、まるで小学生の自由長のような英語のノートを持って懇願する。吹き飛ばした2人の事など気にも留めていないようだ。

「……谷口……お前、今まで宿題をやってきたためしがあったか?」
「だっ、だって今日はニャンリオパークの特番があって……」
「昨日は?」
「えっと……ほ、欲しかった漫画が次々見つかって……」
「一昨日は?」
「…………野良ニャン子たちと遊んでて…………」
「その前は?」
「………………う、うっかり寝過ごして」
「どれもこれも自己責任じゃねえか!宿題は自分の手でやりなさい!!あと上条さんの名前は「とんま」じゃなくて「とうま」だから!」
「むむむ、今日のとんまはいつに無くいじわるだぁ!幼馴染なんだしちょっと位いいじゃない!!」

谷口は上条当麻の幼馴染らしく、このクラスで唯一、上条のことを「とんま(とうま)」と下の名で呼んでくる。らしいと言うのは上条当麻は1度記憶を失っていてこの少女が本当に幼馴染かどうか分からないからだ。

記憶を失ってから初めて学校で会話して(と言っても今のように宿題の模写を要求してきただけだが)幼馴染だと聞かされた時は本当に焦った。本当に古い付き合いなら上条の僅かな異変も感じ取られてしまうのではないだろうかと思い、出来るだけ彼女から記憶を失う前の上条当麻の情報をさり気なく聞き出し、それを実行してきた……。

ゆえに、今の上条が記憶を失っていない上条として振舞えているのは、ほとんど彼女のおかげだったりする。が、それとこれとは話が別と言うやつだ。

「だいたいなんでいつもいつも上条さんに頼むんですか!他のやつらにも頼めば良いじゃん、つーかそもそもお前、俺より成績良かったはずだろ!?」
「成績がいいのは開発のおかげだって!国語、英語、社会に歴史、生物に化学、ほとんど赤点ギリギリなんだから!!」
「胸張って言う事じゃねぇだろうが!!」
ギャアギャアと谷口と言い合っていると、上条の服の端を小さい手がぎゅっ、と掴んだ。

「お?わー、かわいい!!もしかしてこの子がとんまの従姉妹?」
「あ、いや、この子は……っ!!」

失念していた、上条当麻は忘れていた。

「うわーい!髪の毛さらさらだー!!」
「…………!」

このクラスには猛獣がいるのだという事を

「お肌はスベスベ〜ほっぺはぷにぷに〜!かっわい〜!!」
「……………………!!」

頬を左右に引っ張られ、少女が助けを求めるが、谷口の幼馴染である上条は知っている。

こうなった彼女は誰にも止められないのだという事を。



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