130:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府)[sage saga]
2011/03/24(木) 06:00:03.49 ID:R5eHM0g7o
ライブが終わり、みんなといったん別れて自分の楽屋に戻る。
芸能人って難しい。みんなと一緒にいられないことばかり。
やめちゃおうかな――冗談じゃなく、真面目に思った。
歌うのは好き。演奏するのも好き。だから、プロとしてみんなに歌を聞いてもらえるのは好き。
でも、みんなと一緒に演奏するのはもっと好き。大好き。
放課後ティータイムとして、またやっていけるのかな。
そんな未来を選んでも、いいのかな。
えへへっ、とだらしない顔で私は楽屋のドアを開けました。
唯「あ、あれっ」
マネージャーさんが迎えてくれると思ってたそこには、男の人が数人倒れていました。
唯「あ、あの、大丈夫?」
タックマン「こいつらは、君を狙っていた犯罪者だ」
唯「あっ。キミは……タックマン、さん。でいいのかな?」
タックマン「……」
唯「私を……助けてくれたんですか?」
タックマン「犯罪者を捕まえる。ただそれだけだ」
嘘です。
この人、悪い人じゃない。人のために傷つくことができる、そんな人だと思います。
その真っ白な姿は、誰かに似ていました。
唯「あ、あの……抱きしめてもよかですか!」
タックマン「……好きにするといい」
唯「じゃあ、遠慮なく。えいっ」
私はこの真っ白な人を抱きしめました。
思ったよりも、ずっとやわらかくて――そして、あったかい。
唯「とっても、あったかいんですね」
タックマン「このスーツは体温を遮断する」
唯「なら、きっと心があったかいんだね」
タックマン「……」
唯「優しいんですね。みんなのために戦って」
タックマン「私はヒーローじゃない」
唯「……私、大切な友達がいたんです」
なんでだろう。この人を見ていると、この人に抱きついていると、思い出してしまう。
唯「その人は、ずっと私たちの後ろで微笑んで、後ろから私たちを見守って、支えてくれて」
ムギちゃんのことを。
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