150:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage saga]
2011/04/13(水) 04:23:50.83 ID:HulktAtno
紬「ゆ、唯ちゃん。梓ちゃん……?」
唯「なーに?」
梓「なんですか、先輩?」
紬「私のこんな姿を見て、なんとも思わないの? 汚くて、惨めな、私の本当の姿なのよ? これがあなた達を裏切った私の――」
唯「――ムギちゃんは、ムギちゃんだから」
紬「ぁ……」
梓「そうです。ムギ先輩は、ムギ先輩じゃないですか」
唯「だから」
梓「お帰りなさい。ムギ先輩」
澪(そうか、そうなんだ)
バカみたいだ。なんでこんなに悩んでたんだろう。
それでいいんだ。秋山澪もまた、秋山澪でしかない。ムギがムギであるように。
自分を押さえつけてまで接して、それが親友のやることなんかじゃないんだ。
澪「ムギ……会えて嬉しいよ。お帰り」
紬「唯ちゃん、梓ちゃん、澪ちゃん……」
澪(律は……)
澪は律の座っている席を見る。さっきからやけに口数が少ない律。
うつむいて……よく見ると、涙を流していた。
紬「律っちゃん……」
律「ムギ……よくも勝手にどっかにいってくれたな……」
澪「律……」
律「部長として、絶対許さない……! ちくしょー、大好きだ、ムギー!!!!」
律もまたはじけたように立ち上がってムギに駆け寄り、抱きしめた。
唯「ちょ、律っちゃん私の!」
律「唯だけずるいんだよ!」
唯「なにおー!」
紬「みんな……」
紬の目から。枯れ果ててしまったその瞳から、一筋の光が覗いていた。
涙。
紬は泣いていた。
紬「みんな……ごめんなさい、私……私……みんなにずっと迷惑をかけて……」
唯「大丈夫だよ、ムギちゃん」
律「みんなムギが大好きだよ」
紬「……! そっか。そうなんだ。ありがとう、みんな。――ただいま」
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