204:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府)[sage saga]
2011/08/23(火) 21:10:10.51 ID:vrmooJWNo
誰も知らない場所 光の中
唯「……ここは?」
???「――驚いたわ。あなた、たどり着いたのね」
唯「あなたはが、私を呼んだの?」
???「漆黒の瞳。そう、『紛い物』でありながら、その力はオリジナルよりも先に進んでいるようね」
唯「どうして?」
???「……あなたが私に何を聞きたいのかはわからないけれど、理由なんてないの。理由なんていくら考えても、ずっと過去にさかのぼってどこにも執着しない。事実こそが全てなのよ」
唯「でも、あなたはそう考えてないから、ここにいるんでしょ?」
???「――そう、意識が変わっているのね。この空間のレベルに適応している。だったらあなたがここに来た意味もわかるはず」
唯「意味なんて無いよ」
???「それは、私とあなたが同じだから。それだけ」
唯「いいえ――同じじゃない」
???「……そう。そう考えたとしても、結局あなたはここに帰ってくることになる。もう時間切れだけれど――また会いましょう」
唯「あなたは……」
???「私はエルダー。次に会えるときを楽しみにしているわ」
そして次の瞬間には、唯は見覚えのある場所に立っていた。
唯「あ、あれ、私、なんでこんなところに?」
桜が丘高校のグラウンド。
さっきまで自分の家にいたはずなのに、どうして。
それに、真っ暗だ。さっきまで快晴だったはずなのに。
さわ子「唯ちゃん」
唯「え……さわちゃん?」
さわ子「久しぶりね、唯ちゃん」
唯「なんで……? 私、夢を見てるのかな……。家にいると思ったら、学校に立ってて。それで、もう夜になってて。目の前には、転勤して遠くに行っちゃったはずのさわちゃん」
さわ子「混乱してるのね。でも、私は本物よ、ほら」
さわ子は優しく微笑むと、唯の頭を撫でた。
唯「あっ……」
さわ子「ね?」
唯「ほんとだ……さわちゃんだ。さわちゃんだ!」
唯は勢いよくさわ子に抱きついた。
さわ子「もう、どうしたのよ、甘えん坊ね」
唯「だって……わけわからなくて、怖くて……」
さわ子「子供みたいよ、唯ちゃん。もう、卒業したんでしょ」
唯「でも、先生はずっと先生だから……わたしの前にずっといてくれる人だから……」
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