210:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府)[sage saga]
2011/08/23(火) 21:13:16.65 ID:vrmooJWNo
日本 桜が丘 廃ビル
少女「……またあんた、犯罪者を殺してまわってたの」
ワイズマン「それがお前に何の関係がある」
少女「べつに、ないけど」
ワイズマン「なら黙っていろ」
少女「……あんたさぁ、なんでずっとその覆面してんの? 正直ダサい」
ワイズマン「格好つけてるわけじゃない」
少女「でもさ、けっこう可愛い顔してたじゃん」
ワイズマン「……俺の顔はこれでいい。この下にあるものは……あの弱かった子供は死んだ」
少女「嘘つきだよ。あんた」
ワイズマン「……なら、その嘘つきになぜ付きまとう。確か、『昔の俺』に対して言ったよな。あんたの顔なんて二度と見たくないと」
少女「……だってあんた、覆面してるし」
ワイズマン「なら、この覆面をとって中の『死人』の顔を見せればお前は消えるのか?」
少女「ふんっ、女々しいのよ。そうやって理屈屋気取って。そういう男って、嫌われるのよ」
ワイズマン「ならそんな俺に毎日こうやって傷の手当をして、飯を恵んでくれるお前は相当なもの好きだな」
少女「なっ……! べ、べつにあんたが好きでやってるわけじゃないわよ! ただ、この上着の分、借り、返さないとしゃくだし」
ワイズマン「悪人のくせにか。バカだな、お前は」
少女「バカはあんたでしょ。いつも正義と悪のバランスとか言ってるけど、結局あんたが納得できないだけじゃない。なのにそんな覆面に頼って、善悪を超越した何かになったつもり?」
ワイズマン「……」
少女「あんたが変異種になって、強くなったからって心まで強くなるわけじゃないのよ。結局あたし同じよ。弱くて、どんな願いもかなえられないから逃げ続ける」
ワイズマン「そうだな」
少女「なっ……!?」
ワイズマン「俺は逃げてるかもしれないな。だが……逃げて、逃げて、逃げ続けた先に……」
少女「なによ」
ワイズマン「いや、なんでもない。俺はもう寝る」
少女「……ふん」
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