7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]
2011/03/17(木) 04:15:53.00 ID:LjwDMhJO0
日本 桜が丘
純「うひー、遅くなっちゃったよー。最近このへんも治安悪いし、さっさと帰ろう」
近頃は平和だった桜が丘にも犯罪が増加している。二年前に通り魔殺人があってからは特に顕著だ。
バンド練習を終えた鈴木純も、小走りで家に向かっていた。
と、その時、後ろから服をつかまれ、引っ張られる。
純「な、なにっ?」
大柄の男にそのまま引きずり倒され、裏路地まで引きずられてしまう。
純「やめてっ、放してよ!」
抵抗しても力が違いすぎ、引き剥がせないまま、裏路地の奥まで純は運び込まれてしまった。
純「ひぅ……!」
つれてこられた先には、大柄な男が数人座っていた。皆、人相が悪く、どう見ても温厚な集まりではない。
純は混乱していたが、さすがにこうなると状況を把握せざるを得なかった。
強盗、誘拐、略奪、強姦――殺人。いくつかの物騒な言葉が脳裏をよぎる。
男「へへっ、女だ。悪かないぜ」
男2「大事そうに抱えてんのはなんだ? ギターか?」
サングラスをかけた男は純のベースを奪い取り、ケースを開ける。
男2「きたねえベースだぜ。まあ、ちょっとくらいは金になるか」
純「や、やめて! それだけは……」
男2「あぁ? てめぇ、今の状況わかってんのか? てめぇが守るべきは、こんなベースじゃねえよ」
ビリッ
純「っ!!」
まるで紙のように簡単に、軽々と純の上着がやぶり取られる。
男2「自分の身体の心配しな、お嬢ちゃん? ん? 初めてか?」
純「や、やめてよ……」
男2「こんな時代に、こんな時代で独りで出歩くとは、おめぇ、ただのバカだぜ。不運って同情すらされねえよ」
男「へへっ。さっさとやっちまおうゼ。俺もう我慢できねーよ」
男3「俺もだ! こんなバカっぽい女好みなんだよなぁ」
純(な、なんなの、こいつら……)
汚らしい欲望。およそ人間とはいえないこの目。人を傷つけることを、喜びに感じている。
信じられない。こんな人間が実在しているなんて。優しい世界に生きてきた純には、全く理解できなかった。この男達を。
人を苦しませて、目の前に苦しむ人がいて、なんとも思わないのだろうか。なぜそれでも笑っていられるのだろうか。
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