過去ログ - 「――――心に、じゃないのかな?」<br>
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4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸)[saga]
2011/03/18(金) 15:09:05.12 ID:aSwND5LAO
それは、始まり。

本来あり得る事のないこの物語の発端は、1人の少女。

学園都市にたった数人しか存在しない超能力、その一角に座するレベル5。

その少女は歩いていた。闇に包まれた学園都市を、幽鬼の様にひたひたと。

少女の通った痕に付いて来るのは、赤く掠れた足跡に、どこからか漏れ響く音。

髪に隠れたその瞳に光はない、街を覆う夜より深い、闇の深淵を連想させるその眼には何も映っていない。

「…………」

少女は赤黒い何かにまみれていた。

栗色の髪も、健康そうな肌も、高名なデザイナーが制作したその制服も、たなびけば可憐なスカートも、それに隠れた短パンも、白のソックスも、艶のかかるローファも、

少女の脆い心までも、全て赤黒い血にまみれていた。

それは、彼女自身の血ではない。しかし、それは確かに彼女の血だった。

「…………」

最も血にまみれて居るのは、手。指先から手首までがべっとりと朱に染まったその手には何かが握られている。

それは、ただの鉄クズだ。

「…………」

彼女は何を思っただろう。




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