過去ログ - 一方通行「飯も風呂もできてンぞ」番外個体「それじゃあ、あなたで」
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125: ◆3vMMlAilaQ[saga]
2011/03/30(水) 12:41:56.80 ID:2pAAEUvjo


『番外個体をください』
そう言って、一方通行は深々と美琴に頭を下げてみせた。
張り上げられた声に店内がざわつく。


「え、ちょ、はあ!?」

「ふ、うにゃあ……」


予想外の事態に美琴は『お義姉様』以上の衝撃を受け、番外個体はというと様態急変、真っ赤になって俯く始末。
そんな周りにお構い無しに一方通行は続ける。
否、彼だって十分恥ずかしい思いをしているのだ。
他の客の視線を幾つも感じるし、誰かに頭を下げて懇願するなどこれが初めて。

プライドも羞恥も全てかなぐり捨た、彼なりの誠意だった。


「俺は確かに最低最悪のクソッたれだ。今更オマエにこンなことしたって迷惑なだけだってのも分かってる。
 ……けど、それでもコイツはこの手で護りてェンだ。誰かを傷付ける為だけの力じゃねェってことを証明させてくれ」


頼む、と。
情けなく、無様に乞う。
しかしその姿は奇しくも、番外個体の目には男らしく、格好良く映って。
嬉しくて嬉しくて、どきどきと胸が跳ねる。

そして、御坂美琴には。


「……まったく。何よ、見せつけてくれちゃって。――そんな風に言われたら、お幸せにって言うしかないじゃない」


しっかりと、伝わってくれていた。


「頭、上げて。……正直、アンタのことはまだ完全に赦せそうにない。けどさ、それでも私はアンタを信じる」


優しい声色と眼差しで。


「どんなことがあろうと。この子を護ってくれるのよね?」

「あァ。命に代えてもだ。絶対に離さねェ」

「それじゃあ、私からも――ワーストを、私の妹を、よろしくお願いします」


様々な思いの中で。
御坂美琴はその妹を、一方通行に託した。



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