過去ログ - 一方通行「飯も風呂もできてンぞ」番外個体「それじゃあ、あなたで」
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270: ◆3vMMlAilaQ[saga]
2011/04/17(日) 01:48:06.57 ID:BAONOHRVo

「――あそこにいるイルカってさ」


会場の最前列。
いい歳をした二人はそこを陣取って、仲良くショーを観覧していた。
大きなプールの中ではイルカのナントカ君やらナントカちゃんが跳ねたり回ったり泳いだり、
そんな感じのことをして会場を沸かせている。

その中でぽつんと、番外個体が呟いた。


「もう二度と、外では生きていけないんでしょ?」

「どォした急に。飽きたか?」

「ううん。楽しいんだけど、何となくさ」


数頭のイルカがタイミングよく水中から飛び出してきて、拍手が送られる。
その雰囲気の中、たった一人憂いている少女の存在はちっぽけだ。
従順に芸をこなすイルカ達にぱちぱちと小さく手を鳴らしながら、彼女は最初の質問に対する返事を待つ。
返ってきたものはやはり、彼女が考えていたのと同じこと。


「……まァ、そォなるだろォな。自分でエサも捕れねェだろォし、自然ではやっていけねェ。動物園だって同じだろ」

「……そうだよね」


終演を迎えた会場が、より一層盛り上がる。
変なことを気にするヤツだと一方通行が横目でちらりと隣を見やると、番外個体は何事もなかったか如く楽しそうに拍手していた。

ただ、やはりどこか陰った横顔で。


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