過去ログ - 一方通行「飯も風呂もできてンぞ」番外個体「それじゃあ、あなたで」
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62: ◆3vMMlAilaQ[saga]
2011/03/24(木) 22:01:54.92 ID:eWahEoj6o

指の腹でそれを掬い上げ、ぺろりと舐め取る一方通行。
微量ながらしっかりとした甘さを含むそれに、思わず顔をしかめる。
番外個体はというと、そんな彼のことをニヤニヤとあまり良くない顔で見つめていた。


「甘ェ、よくこンなの食ってるな。……ンだよ、俺の顔に何か付いてるか?」

「いやあ、指をしゃぶるあなたもなかなかサマになってると思ってね」

「何馬鹿なこと言ってンだ、とっとと食って行くぞ」

「あれー、照れてるう? ぎゃは、でもああいう場面では直接舌で舐め取ってほしかったなーあ? ミサカもう一回つけちゃおっかなー?」


先程のカップルに頂けない感化を受けたのか、それとも対抗心でも燃やしているのか。
いずれにせよ、一方通行を困らせる為に饒舌になっていた彼女の口は、


「んっ、」


身を乗り出した一方通行の唇で塞がれた。
音も立てずに一瞬触れるだけの、優しいキス。
自分でけしかけておきながら、それでも顔を火照らせ目を白黒させる番外個体を促して立ち上がる。


「福引き済ませてさっさと帰ンぞ。帰って飯の仕度もしなくちゃなンねェンだからよ」

「あぅ……ず、ずるいよそういうの。周りも見てんじゃん」

「うるせェ、これに懲りたら人をからかうのも大概にするンだな。『純真無垢』な番外個体ちゃンよォ」

「……自分だって赤くなってるくせに……」


聞こえているのか否か。
番外個体の呟きは、ただ風に流された。




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