過去ログ - 一方通行「飯も風呂もできてンぞ」番外個体「それじゃあ、あなたで」
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◆3vMMlAilaQ
[saga]
2011/03/24(木) 22:13:53.47 ID:eWahEoj6o
少女が拍子抜けしたように声をあげる。
てっきり『同盟』とは、互いに互いを利用し合うような『闇』に関わることだと思っていたからだ。
しかし少年の口から出てきたのはよく知った呼称と、それに似合わぬ色恋沙汰だった。
「ですよね! 自分もそれを知ったときは正に『はぁ?』でしたよ!
小さい御坂さんと妹さん達の一部、それに加えて大きい御坂さんまで手玉に取るのか、とね」
「……ごめん、ほんっとに気持ち悪いわ……」
「まぁそこは目を瞑りましょう……自分の本命はあくまであの方ですからね……。
それでですね、そのお二方が沖縄旅行なるものを福引きで当てたんですよ」
「そんなの、行けるわけ無いじゃない。仮にも第一位、それに『大きい御坂さん』って『第三次製造計画』でしょう?」
「ええ、そこであなたに協力を仰ぎたいわけです。統括理事会に掛け合い、大きい御坂さんに沖縄旅行をプレゼントしませんか?」
「何を馬鹿なこと言っているの?」
一蹴だった。
少年の提案を、少女はいとも簡単に踏みにじった。
自分にそんなことをする義理はないと。
そんなことをしている暇があったら、せめて野菜炒めくらいは上手く作れるように練習してやると。
しかし、少年は項垂れもせず、怒りもせず。ただ、いつもの温和な笑みを浮かべていた。
そして勿体をつけるように、自らの理論を口にする。
「考えてみてください。大きい御坂さんの幸せ=沖縄旅行=クソ一方通行さんといちゃいちゃ=子作り。
……あとは言わずとも、賢いあなたなら理解は難しくないでしょう?」
「……ッ!」
それは甘い甘い、砂糖の様な誘惑。
少年の真意、そして自分に同盟結成を持ち掛けてきた理由。
彼の言葉で少女は全てを悟る。悟った上で、口角を吊り上げる。
「成る程、アルビノショタ、ビリビリショタ、一方通行似のS気質ショタに超電磁砲のクローン似のツンデレショタ……。
ふふっ、可能性は無限大、ね。良いわ、その話乗ってあげる。最高の利害関係じゃない」
「自分で言うのも何ですが、老人へのウケの良さには自覚があります。そこにあなたの能力が加われば怖いものなしですね」
「ふふふ、あはははっ! ぞくぞくしてくるわ!
……そうそう、この際だから聞いておくけれど、小さい子ウケの良いアニメで何かおすすめは無いかしら?」
「某魔法少女ものなんてどうでしょう。深夜アニメですが、3話あたりは特にオススメで子供達も喜ぶと思いますよ。
黄色い先輩が大活躍する姿はグッとくるものがありましたね。ティロ・フィナーレ!」
「ティロ・フィナーレ!」
「もっと魂を籠めて! ティロ・フィナーレ!!」
今宵、ここに同盟が結束され。
舞台裏で、密かに物語は進行していた――
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