過去ログ - 一方通行「俺が一生オマエの面倒見てやる」番外個体「……うん」
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55: ◆jPpg5.obl6[sage saga]
2011/03/21(月) 20:55:19.27 ID:po2DgXaE0

最終的にこの立位置が変わることはなかった。
もう何もかもが手遅れのようだ。番外個体と同棲して一番身についたのは“無駄な抵抗の見極め方”
だった。


「――――あの人があなたの“仮親”か……。いい人たちじゃん」


家に到着し、痺れた腕を軽く揉んでほぐしている最中、番外個体がそんな言葉を吹っ掛けてきた。
ちなみに家というのはかつて暗部組織『グループ』が拠点の一つとして利用していた木造アパートで、
現在は一方通行と番外個体の“愛の巣”(?)の事である。
質素よりも多少は広めの八畳部屋が一室と、ダイニングにバルコニーが付いた何て事のない一室。
黄泉川の所有するマンションとは比較にならない程の劣った環境だが、一方通行は不満どころか結構
気に入っていた。
番外個体も初日以降は特に何の不満も口言せず、今ではこの部屋が自分の家だという認識の下で学園
都市生活を満喫していた。

「仮親って表現が正しいのかは疑問だがな。実際あそこで過ごした日なンてほンの僅かな間だけだ」

そんな番外個体の何気ない話題にも、一方通行は首を向けずに言葉だけ返す。初めての彼女を親に紹介
した時のような、何となくそれに近い心境で照れ臭さがあるせいか、一方通行の対応はどこか塞ぎこみ
がちに思えた。

「……何であんないい人たちから離れちゃったの、って訊くのは野暮かな?」

「………あァ、今更だな。だが強いて答えるとしたら、“だからこそ”だ」

「…………そっか」

やっぱり…、と言いたげに目を伏せる番外個体。あそこで皆一緒に住んだら案外楽しいのではないか。
そう思うとちょっとだけだが寂しく感じた。


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