過去ログ - 一方通行「俺が一生オマエの面倒見てやる」番外個体「……うん」
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◆jPpg5.obl6
[sage saga]
2011/08/16(火) 22:33:40.93 ID:rSukkoHc0
荒れた心を抑制しきれずに、絹旗は滝壺の容態を聞くや否や病院を飛び出した。
いや、“荒れた”というのは適切ではない。彼女は完璧にキレていた。
麦野たちと離れて一人になった途端、絹旗は般若のような恐ろしい形相を瞬時に作り出して携帯電話を乱暴に操作した。
「…………ちィィ……ッ!!」
耳に入ったのは『お客様がお掛けになった番号は現在使われておりません』といったお決まりの機械音声。
予測していたとは言え、やはり腹立たしさは拭えない。
今頃あいつは自分の知らない場所で薄ら笑いを浮かべているのか、そう考えるだけでハラワタが煮えくり返る。
となると、次に行かなければならないのは必然的に“あそこ”しかなくなってくる。
気は進まないし、行ったとしても手掛かりが得られる可能性は限りなく低い。
しかし、それでも今は縋るしかない。このまま泣き寝入りするのだけは死んでも御免だった。
歯噛みしつつも進路を変更し、絹旗は全力で目的の場所まで走った。
やがて、辿り着いたのは郊外にある古びた研究施設。
ここは自分と黒夜海鳥について、良く知っている研究者が勤めている。
平たく言えば、古い知人である。
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