過去ログ - 火憐「兄ちゃん、あんま無茶ばっかすんなよな」
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◆/op1LdelRE
[sage]
2011/03/27(日) 21:47:02.09 ID:SKmS+kSP0
ようやくここまで来たという感じですが。
続きを上げていきます。
よろしければお付き合い下さい。
154
:
◆/op1LdelRE
[saga]
2011/03/27(日) 21:52:38.21 ID:SKmS+kSP0
012.
「月火ちゃん!」
「お前様! 動くな!」
以下略
155
:
◆/op1LdelRE
[saga]
2011/03/27(日) 21:56:44.79 ID:SKmS+kSP0
「何するんだ! 忍! 離せ!」
「何するんだはこっちの台詞じゃ! お前様は本当に馬鹿者か!」
「馬鹿でも阿呆でも何でもいい! 月火ちゃんがそこにいるのに!」
「少し落ち着かんか!」
以下略
156
:
◆/op1LdelRE
[saga]
2011/03/27(日) 22:01:03.66 ID:SKmS+kSP0
「お前様は何の為にここに来た! 妹御を救出する為じゃろうが! 助けに来たのならば、助ける為の行動を取らんか! 狼狽えて罠に嵌るなど愚の骨頂じゃ! この上更に失態を重ねるつもりか!」
「!」
頭を手で押さえて涙目になりながらも(感覚の共有があるせいで、多分僕のと自分のと二重の痛みがあるんだろう)、それでも僕を睨みつけながらの忍の言葉が。
ヘッドバットの衝撃以上に、僕の頭から血を下げさせたことを実感する。
以下略
157
:
◆/op1LdelRE
[saga]
2011/03/27(日) 22:05:05.69 ID:SKmS+kSP0
月火の事は気になるけれど、その身と心への懸念は尽きないけれど、その不安と焦燥と心配は、無理やりにでも抑え込む。
動揺が消えたわけでも、慟哭が止んだわけでもないけれど。
それでも、今にも爆発しそうなこの心は、ただ事態の解決にだけ、全力でぶつけよう。
たとえ、その後に、どうなろうとも。
これ以上に事態を悪化させることだけは、何としても、何に代えても、防がなければならない。
以下略
158
:
◆/op1LdelRE
[saga]
2011/03/27(日) 22:11:57.24 ID:SKmS+kSP0
「お前様! 下じゃ!」
「!」
本当に何の前触れもなかった。
どこかに隠れているかもしれないという意識の、外からではなく、内からの衝撃。
以下略
159
:
◆/op1LdelRE
[saga]
2011/03/27(日) 22:18:33.51 ID:SKmS+kSP0
飛び上がったその何者かは、一瞬の浮遊の後、僕の体を屋上へと投げ捨てた。
抗う間もなく、コンクリートに叩きつけられる感触。
鋭い痛みが全身を走ると同時、肺から空気が追い出される。
そんな体と床が上げる軋みが、五感の全てに余すことなく伝わってきた。
以下略
160
:
◆/op1LdelRE
[saga]
2011/03/27(日) 22:22:13.95 ID:SKmS+kSP0
あの瞬間――襲撃された時にこの目が捉えた映像を信じるならば、こいつは建物の影に潜んでいたのだ。
加えて先程の、人間離れした膂力。
そんなことが可能な存在を、そんなものを有している存在を、僕は確かによく知っている。
誰より何より身近に知っている。
それは、あるいはその気になれば、状況さえ整えば、きっと僕だって出来るようになることなのだから。
以下略
161
:
◆/op1LdelRE
[saga]
2011/03/27(日) 22:26:06.55 ID:SKmS+kSP0
だがしかし、それがどうしたというのか。
少なくともこいつを倒さないと、僕は月火を助けられない。
ならば、怖気づく理由も臆する道理もないだろう。
知り合いでないのならば、尚好都合だ。
以下略
162
:
◆/op1LdelRE
[saga]
2011/03/27(日) 22:30:15.16 ID:SKmS+kSP0
だけど戦い始めてすぐに、自分と相手の間に、想像以上に決定的な実力差があることを理解しないわけにはいかなかった。
僕の拳が一度届く間に、相手の拳は数回僕の体を抉り。
僕の蹴りが一度も当たらないのに、相手の蹴りは僕の体を幾度も貫き。
僕が掴んでも容易にいなされるのに、相手に掴まれれば確実に床に叩きつけられていた。
以下略
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