過去ログ - 火憐「兄ちゃん、あんま無茶ばっかすんなよな」
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163: ◆/op1LdelRE[saga]
2011/03/27(日) 22:35:20.76 ID:SKmS+kSP0
 今の吸血鬼度を上げた状態でなかったら、最初の一撃で戦闘不能になっていただろう。
けれど現状とて、回復するなりまた潰され、潰されるなりまた回復するという無慈悲な繰り返しでしかない。
止め処ない破壊と再生の連鎖に、苦痛を覚えることすら叶わない。
拳を交わすなんて、とても口にできない程の、それは一方的な殺戮だった。

以下略



164: ◆/op1LdelRE[saga]
2011/03/27(日) 22:39:32.32 ID:SKmS+kSP0
 もっとも、今の僕の状況で、こんな分析には何の意味もない。
これは、戦力差を把握する為のものでも、勝機を見出す為のものでもない。
只の確認だ。確認であり、確信だ。

 こいつは確かに強い。
以下略



165: ◆/op1LdelRE[saga]
2011/03/27(日) 22:44:22.02 ID:SKmS+kSP0
 否、断じていい訳がない。
誰がいいと言ったって、僕が絶対に認めない。

 僕は月火を危険に巻き込んでしまって、故にこそ自分を一番に許せなくて。
しかしだからといって、犯人であるこいつを許すつもりもまた、断じてないのだ。
以下略



166: ◆/op1LdelRE[saga]
2011/03/27(日) 22:48:43.34 ID:SKmS+kSP0
「うああああああああああああああああああああああああ!」

 攻撃一辺倒だったところを、突然顔を掴まれたせいなのか、一瞬相手の体が硬直する。
その辺りもアマチュア故の反応なのだろうか。
プロならば、こんな隙は絶対に見せてくれないだろう。
以下略



167: ◆/op1LdelRE[saga]
2011/03/27(日) 22:55:35.47 ID:SKmS+kSP0
 殴られようと、貫かれようと、潰されようと、砕かれようと。
それで屈する訳にはいかないし、屈する事なんて絶対にできない。
何が理由か、何を狙ってかなんて知らないけれど、僕の大事な人達に手を出すような奴に、屈して堪るものか!

 月火も、忍も、どうなっているのか全く分からない。
以下略



168: ◆/op1LdelRE[saga]
2011/03/27(日) 23:00:32.68 ID:SKmS+kSP0
「そこまでじゃ!」

 ――忍くらいだろう、確かに。
耳に馴染むその声がすると同時、僕の両腕が掴まれた。
強い力……それは僕を助ける為のものなのか、相手を助けるものなのか。
以下略



169:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/27(日) 23:04:18.99 ID:FATm8yUqo
未来から来たノブえもんか


170: ◆/op1LdelRE[saga]
2011/03/27(日) 23:05:21.40 ID:SKmS+kSP0
「ふむ、やはり分かるか。さすがはお前様といったところかの」

 そんな僕の疑問を察したのか、目の前の忍のような存在は、小さく頷いてからそう呟いた。
僕の良く知る忍と同じような表情で。
そうしてゆっくり僕の手を離す。
以下略



171: ◆/op1LdelRE[saga]
2011/03/27(日) 23:09:09.51 ID:SKmS+kSP0
 頭の中が、さっきとはまた違う意味で真っ白になる感覚があった。
ほとんど無意識に、あるいは反射的に、自分の下へと視線を向ける。
再生しつつあるそいつの手が、自身の顔を隠している覆面に伸びて。
それを取り払った。
その一連の流れを、ただ見ているしかなかった僕の目に飛び込んできたのは。
以下略



172: ◆/op1LdelRE[saga]
2011/03/27(日) 23:17:23.68 ID:SKmS+kSP0
今日はここまでということで。
まあ切りのいい所までは来ました。
できれば明日にも更新したいですね。

>>169
以下略



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