過去ログ - 火憐「兄ちゃん、あんま無茶ばっかすんなよな」
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◆/op1LdelRE
2011/03/21(月) 21:45:25.49 ID:4YOMgSaY0
「今のこの時期にこそ、考えるべきではないか? お前様の先行きであれば」
「うん、そうだな」
「進むべき路と書いて進路とはよう言うたものじゃ。ことにお前様の場合は、選んだ道次第で、近しい者全ての道行に影響を与えることもあるからの」
「……」
全くもって言葉もない。
実際、先日の妹達との騒動は、家の中だけで発生し、家族の内だけで解決したけれど。
僕がどういう道を進むかによっては、また同じようなことが起きないとも限らない。
そしてそれは、何も妹達に限ったことではないだろう。
「まあの、言うてもお前様の行く道じゃ。本来であれば、儂が横から口出しするようなものではないのかもしれぬ。しかし――」
「いや、分かってるよ。何がしかの答えを出さなきゃいけないってことはさ」
自分が吸血鬼の残滓であり、同時に人間の戻り損ないであること。
忍と共にあり続けるという怪異としての生と、戦場ヶ原達と共にあり続ける人間としての生とを、両立させようとしていること。
それだけでも、もうどうしようもないくらいにヘビーな話なのだ。
どうしたって、僕は絶対ではないにしろ不死身であり、故にこそ一個の命として中途半端であり、ともすれば時の流れにすら取り残されてしまう。
今は辛うじてバランスが取れていて、どうにか安定してはいるけれど、それは決してこの先もそうであり続けることを保証してくれたりはしない。
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